終活はいつから始めても早すぎることはない

── 終活というと「定年退職して人生がひと段落ついてから」というイメージがあり、働き盛りの世代にとってはまだ早いと感じる方もいると思いますが。
財前さん:いえ、30・40代の方こそ、今の自分の状況を見直すために活用して欲しいです。エンディングノートには、死後の手続きだけでなく、自分や家族の現状・これからの希望を書き込むこともあるんです。たとえば自分が40歳のとき、子どもは6歳で、親は70歳になっていると、家族の年齢も書き出してみる。すると「両親も高齢だし、40歳までに家族みんなで海外に行きたいな」とか、「5年後に教育費が一気にかかるな」といった、今後のライフプランへの具体的な見通しが立つようになります。
── なるほど。
財前さん:そうすると、今やらなければいけないこと、近い将来に向けて準備することが自然と見えてきて、お金の使い方もおのずと変わってくる。「終活」とは、「死」を考えるネガティブなものではなく、「今を、これからをどう生きるか」を考えるもの。見通しが経てば、漠然とした不安が消えるのではないでしょうか。
「ノート」ではなく「ファイル」。心理的ハードルを下げる
── その思いから、ご自身でも終活アイテムを作られたんですね。
財前さん:はい。『ありがとうファイル』という終活ファイルを考えました。終活というとノートに書き込むのが一般的ですが、それだと変更や更新がしづらい。「今、書いた内容で決まってしまう」と思うと、「終活」に対する心理的ハードルも高くなってしまいます。なので、『ありがとうファイル』はバインダー形式で必要な情報だけを書き留めておく形に。データも無料で公開しています。
── 財前さんの経験と知識に基づいた仕様になっているんですね。
財前さん:そうです。終活は「よし、やるぞ」と気合いを入れて取り組む方が多いと思うのですが、そうではなくて。「大事なものをひとつの場所にまとめておく」くらいの気楽な感覚でいいと思うんです。終活のためだけではなく、何か困ったときにこのファイルを見れば必要な情報が家族もわかる、というイメージで。もう少しハードルを下げて、みなさんに終活を始めて欲しいんです。