家業の苦境に選んだ「弁護士」の道

── コロナ禍で本業の寿司屋が厳しい状況に陥った際、さらに宅建を取得されたそうですね。
畠さん:2020年の秋頃は、夜の営業でも客足が途絶え、「このままで大丈夫かな」と、正直、心が病みそうなほど不安でした。でも、悩む時間はもったいない。お客様のいない宴会場で勉強し、46日間で宅建を取りました。
さらに当時、行政書士として持続化給付金の申請を手伝う仕事が増え、「知識は人を助ける武器になる」と確信したんです。外食産業が苦しいとき、士業というもうひとつの柱と2馬力で頑張れば、お店を支えられるかもしれないと。
── そこから弁護士になるべく、司法試験の勉強を?
畠さん:ちょうどその頃「弁護士になったら人生が変わる」と言われて。最初は「無理だ」と思いましたが、話を聞くうちにその気になってしまったんですよね(笑)。気づいたら、次の日には司法試験の資料を取り寄せていました。
── すごい行動力です。不安や躊躇はありませんでしたか?
畠さん:まったく。無知ゆえにできたことかもしれませんが(笑)。まず、司法試験を受けるために法科大学院に入るか、予備試験に合格する必要があることを知るわけですが、独学で予備試験には2度トライしましたが良い結果が出ず。あのまま頑張れば突破できたと確信していますが、当時私を取り巻いていた環境を考えると、時間をかけるよりかは2年間法科大学院に行くほうが効率的だと思い、「入試も司法試験も1発で合格してみせるので行かせてください」と家族にお願いし、名古屋大学の法科大学院に入りました。快く送り出してくれたので、あとはやるしかないと奮い立たせ猛勉強しました。
ただ介護をしていた義父が入学4か月ほど前に亡くなってしまい、入学報告ができなかったことが今でも心残りです。