世界で僕だけが見た景色。4年間の「虚無」の先に待っていた最高の報い
── 2025年の全試合観戦を終えて、今どんな思いですか?
ミニタニさん:開幕第1試合から最後の179試合まで、ドジャースの優勝を現地で見届けたのは、おそらく世界で僕だけです。フルシーズン戦って優勝する瞬間に立ち会える確率は、奇跡に近い。お金も時間も使いましたが、100年に1人の選手と言われる大谷選手を4年間毎試合見られたことは、僕の人生の宝物です。
── 大谷選手の活躍と比例して、ミニタニさんも注目を集めました。
ミニタニさん:まさしく人生最大の転機だったと思います。始めにものまねをしたダルビッシュ選手に関しては「顔が似ている」と言われて始めましたが、大谷選手に関してはまったく似てない(笑)。だから最初は大谷選手の顔のお面をつけて球場を歩いていたくらいです。それでも大谷選手の活躍や人間性に魅了されて、ここまで続けることができました。大谷選手の活躍と共にYouTubeの再生回数が増え、テレビにも出演。去年は『さんま御殿』にまで出させてもらって、本当に感動しました。
── しかも、さんまさんがミニタニさんのことを知っていてくださって。
ミニタニさん:もうびっくりして…!僕は目の前のことを一生懸命ただやっていただけですが、まさか、さんまさんが自分を知っていてくださってるなんて想像していなくて、本当に嬉しかったですね。目の前のことを一生懸命やってきただけですが、報われた気がして嬉しかったです。地道に継続してきて本当によかったと思います。
…
時に「2試合で60万円」を払い、時に大谷選手のいない球場でひとり、試合を見届ける。それは側から見れば、あまりに効率の悪い、報われない時間だったかもしれません。けれど、その「虚無」を飲み込み、最後の一戦まで逃げ出さなかった者にだけ、神様は「世界で唯一の目撃者」という最高の報いを与えました。
あなたは、誰も見ていない孤独な時間の中でも、自分の掲げた旗を下ろさずにいられますか?
取材・文:松永怜 写真:ミニタニ