大谷翔平選手の全試合を4年間見続けた男、ミニタニさん。世界で唯一、開幕から世界一の瞬間までを現場で見届けた彼を待っていたのは、華やかな光景だけではありませんでした。「2試合で60万円」というチケット高騰、そして主役が消えた球場にひとり座り続ける孤独。ひとりの芸人が、大谷翔平という光のそばでみずからの意地を貫き通した、壮絶な4年間の「末路」に迫ります。
主役不在の球場へ。「全試合観戦」の宣言がプレッシャーに変わった日

── 2021年に大谷選手がエンゼルスに所属。当時アメリカでダルビッシュ選手のものまね芸人「ミニビッシュ」として活躍していたミニタニさんですが、そこから大谷選手の全試合観戦という無謀な挑戦が始まりました。
ミニタニさん:エンゼルスの拠点は僕が住んでいたロサンゼルスだったので、スタジアムまでの移動は1時間半。チケットも安かったんです。大谷選手は二刀流なので、打者としても、ピッチャーとしても毎日試合に出ます。自分のYouTubeで毎日撮影できるし、他にチャレンジした日本人はいない。「それならやってみよう」と思ったのがきっかけです。
最初はリスクを考えて数週間先までのチケットを買っていましたが、だんだん数か月先まで買うようになりました。2022年はまだ「やれなかったらやれなかったでいい」くらいの気持ちで、プレッシャーもなかったんです。
── それが2023年以降、責任感へと変わっていった。
ミニタニさん:2022年に年間全162試合の現地観戦を達成したことで、メディアにも知られるようになり、すごいプレッシャーになりました。テレビ番組やYouTubeでのプロジェクトも始まり、自分の体調不良は許されない。常に気が張ってる状態だったと思います。

── しかし2023年8月、大谷選手が怪我で欠場されます。
ミニタニさん:あの9月は精神的にキツかったです。全試合観戦を宣言している手前、大谷選手が出ない試合も球場に行きました。一番ツラかったのは、ロサンゼルスから飛行機で5、6時間かけてフィラデルフィアまで行ったときです。大谷選手は出ない、チームの優勝も厳しい、YouTubeのネタもない。スポーツですし何が起きるかわかりませんが、あの1か月は本当に苦しかったです。