頭がボーっとしたり、目鼻がムズムズしたり、花粉症の症状は人それぞれですが、理解のない人からは「集中力がたりない」なんて思われてしまうことも。30年以上前から花粉症に悩むイルカさんは、症状を逆手にとって、新たな仕事を開拓していったそうです。

3〜4月は「花粉休み」と30年前に決めた訳

── シンガーソングライターとして半世紀以上のキャリアをもついっぽうで、絵本作家、着物のデザイン、さらには60代から母校・女子美術大学の客員教授として教壇に立つなど、活動はとどまるところを知りません。多くの人が守りに入る年齢を過ぎても、新しい扉を開けることができるのはなぜでしょう。

 

イルカさん:好きなことだから続けられるのはもちろんですが、「ムリをしないで休む」というメリハリが、もっとも大事なんじゃないかと思っているんです。ツアー中は生活のすべてを「ステージ中心」にして体力を温存する。その代わり、毎年3〜4月は「花粉休み」としてお休みをいただくようにしています。花粉症がひどくて40代のころから、もう30年以上続けている習慣ですね。

 

──「花粉休み」とはユニークですね。ただ、30年以上前ですと、「体調が悪くても頑張るのが美徳」という時代でもありました。休むという選択に迷いはなかったですか?

 

イルカさん:たしかに「花粉くらいでなぜ休むんだ」とお叱りを受けることもありました。でも、もしもあのときムリして続けていたら、きっと心身のバランスを崩していたんじゃないかな。

 

春先は体調が不安定になる時期でもあって「今日、大丈夫かな…」と心配を抱えたままステージに立つのは、お客さまにも自分にもよくない。だから、思いきって休むことにしたんです。そのおかげでのどを守ることができ、75歳の今も歌い続けられています。やっぱりムリをしたらダメなんですよね。