運動で健康になるのが当たり前の世の中に

高須将大
パーソナルジムをオープンした

── 病気を通して価値観や生き方は変わりましたか?

 

高須さん:闘病生活を通して、時間は有限だと感じました。悔いを残さないためにも、やりたいことはやろうと思い、格闘技の練習に向き合う姿勢も変わったし、夢だったパーソナルジムも開業しました。

 

パーソナルジムは病気になる前から、いつか将来やりたいと思っていました。ただ、当時は格闘技をやりながら大きな企業で働いていて、安定した生活を手放して開業するという大きなチャレンジをする勇気がありませんでした。やっぱりそれだといつか後悔すると思い、闘病後に会社を辞めて起業したんです。最初は集客に苦労したこともありましたが、今はSNSで自分が闘病したことを知って、それを見て来てくれる人が増えました。

 

── SNSですか?

 

高須さん:実は闘病中は病気のことをあまり公にはしていませんでした。でも、自分が闘病しているときに、同じ肝臓がんで闘病している人のSNSを見て、すごく勇気をもらったんです。自分もほかの人に勇気を与えられるような存在になりたいと思い、SNSを始めました。闘病しながらリングに立つ意味があると思って頑張ったことなど、発信しています。

 

パーソナルジムにはがんで闘病した人、している人もたくさん来てくれます。闘病すると体力がとても落ちてしまい、社会復帰をするのも大変なんです。運動許可がすでに出ている人を対象に、体調を見ながら体力や筋力をつけるお手伝いをしています。

 

── 今後の目標を教えてください。

 

高須さん:格闘家としては今、所属している団体でチャンピオンになることをまずは目指したいですね。あとは格闘技イベント「RIZIN」にいつか出場するのも夢です。

 

パーソナルジムは、今は1店舗ですが、もっと規模を大きくしていきたいですね。病気で心身ともに落ち込んでしまったときに、運動をすることで自分はすごく前向きになれました。もっとたくさんの人たちにそのことについて知ってほしいし、運動を通して健康になることが当たり前の世の中になればいいなと。自分の活動を通して、少しでも多くの人にそのことを伝えていければと思います。

 

取材・文/酒井明子 写真提供/高須将大