19歳年上の夫とふたりの子どもたちと暮らすイラストレーター・横峰沙弥香さん。最近、小学生の子どもたちの疑問や悩みに答える夫の発言に、数々の名言が散りばめられていることに気づいたそう。息子は自称「結婚願望が強い」タイプ。ありがちな離婚理由について疑問を投げかけるわが子に父が語った言葉は、まさに「週刊誌の編集者」ならではだったといいます。

小5の息子には不可解な「価値観の違いによる離婚」

家族愛が強いタイプだなとはうすうす感じていましたが、10歳の息子・まめ(愛称)は結婚に対しても強い憧れを抱いているらしく、折に触れて理想の結婚だとか、どんな家庭を築きたいだとかを熱く語ってくれます。

 

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そんなまめがどうしても理解できないと首をひねっていたワードがひとつ。「価値観の違いで離婚」というものなのですが、そもそもそんな言葉をどこで仕入れて来たのだ小学5年生…。という疑問はさておき、例によって説明に悩むわたくし。

 

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人間同士の価値観なんて違って当然ですし、そのズレがどうしても我慢ならなくなったタイミングでさよならするだけの話です。結婚前のおつき合いとの違いを挙げるとすれば、離別に伴うあれこれのめんどくささが異常なので、別れを選ぶにしても慎重にならざるを得ない部分でしょうか。

 

とはいえそんな話を小学5年生が理解できるとは思えないですし、なにより夢がなさすぎます。

夫が考える「価値観の違いで離婚する理由」とは

すると夫が「価値観と言ってしまうから話がややこしくなるのだ」と割り込んできた。

 

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ここで言う「価値観」とは、誰かと長くつき合っていくうえでズレがあるとすり合わせが難しくなる部分──いわゆるモラルの部分を指しているのではないか、と言うのです。

 

結婚は長い道のり。人生の状況は何度も変わっていきます。その過程で今まで知り得なかった相手のモラル感覚が顔を出してしまうことも、そこがどうしても相容れずに離婚に至ることもじゅうぶんにあり得る話であると。

 

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その部分をあえて「価値観」という広すぎる言葉でふんわり表現する理由がまた秀逸と言いますか…。さすが週刊誌の編集者だなというまとめ方で個人的には好きでした。

 

子どものころからこんな見解を聞かせてもらえるまめがうらやましいなあ。

 

PROFILE 横峰沙弥香さん

よこみね・さやか。イラストレーター。長崎県出身、1984年生まれ。2015年、第一子誕生を機に、長男「まめ(愛称)」との日常を絵日記にしてインスタグラムに投稿を開始する。2017年に長女「ゆめこ(愛称)」が誕生。著書に『まめ日記』(かんき出版)、『まめ日和』(光文社)、『ちんちんぼうずのだいぼうけん』(KADOKAWA)、電子書籍『へたのよこずき1・2』(主婦と生活社) などがある。