この先1人でどうしようといった焦りもまったくない

── たとえばどんな仕事を?
junkoさん:いちばん多かったのは、塾講師や家庭教師です。北海道庁やコールセンターで働いたこともあります。じつは、あの『週刊文春』で10年ほど働いていたこともあるんですよ。
── そうだったのですね!ちなみに、これまで結婚や出産について考えたタイミングもあったのでしょうか?
junkoさん:好きな人はその都度いましたけど、「この人と結婚したい」という気持ちになったことはなかったですね。周りの友人たちが結婚や出産をして環境が変わっても、話が合わないとも思わなかったし、「この先ひとりでどうしよう」といった焦りもまったくなくて。
──「やりたいことをやっている」という満足感があるからでしょうか。
junkoさん:それはあるかもしれないですね。いちばん大切なのは、大好きなバンド活動ができること。その願いは叶っているし、生活できるくらいのお金も稼げている。ありがたいなあと感じます。
「仕事で出世して成功したい」とか「子どもを立派に育て上げたい」とか、きっとみなさん、人生に目標を持って頑張っていらっしゃる人も多いと思うんです。そうした人たちに比べると、私はただ好きに生きてきただけなので、努力らしい努力もしていない。正直、「人生頑張ってないな」と思ったりしますが、後悔はまったくしていません。
── やりたいことを追求しながら、気負わず楽しく生きていらっしゃる印象があります。そうした生き方に憧れるという声も多いですが、ご自身ではどう感じていますか?
junkoさん:今はいろんな生き方が許容されて、いい時代になったなと思います。ただ「憧れです」と言っていただくのはうれしいのですが、正直ピンとこないというか。「いや、皆さんのほうがよほどしっかりしてますよ」と(笑)。私はたいした努力もしていないし、そんなに気張って生きていないので、逆に言えば、誰でもこういうふうに生きていけるんじゃないのかなと思います。