コールアンドレスポンスで帰宅をスムーズに

── 暖かくなって保育園からの帰宅途中にある公園を避けては通れないのも「あるある」な光景ですよね。

 

横澤さん:めちゃくちゃわかります。でも連れて行ってしまうと、すぐに連れて帰るのが難しくて。夕方の忙しい時間帯は一刻も早く帰りたいですよね。「コールアンドレスポンス」をするようになってから、帰宅がスムーズになりました。公園までの道のりで、子どもに「帰るって言ったら?」「帰る〜」、「お母さんの言うことは?」「聞く〜」、「仲良く?」「する〜」というふうに、私の声かけに対して何回も答えさせるんです。

 

── ライブ会場のようです(笑)。

 

横澤さん:それでも、いざ帰ろうと言うと「いや」となる日があるので、新たな技を生み出しました。前説(まえせつ)、中説(なかせつ)、後説(あとせつ)です。これは番組や舞台で使う用語なのですが、公園=本番前に伝えたいこと前説として事前に刷り込み、中説として、遊んでいる途中で約束を思い出させるようにすると、ちゃんと帰れるんです!帰り道では、「帰ろうと言ったら、ちゃんと帰れたね!」と後説として振り返ることも、次に公園に行く際に繋がるので大事です。もはや公園に行く際のわが家の合言葉となっているのですが、少しでも子どもとの暮らしをスムーズにするために小さなことの積み重ねではあるのですが、生活の中に工夫を散りばめるようにしています。

 

 

日々、育児と仕事の両立に奮闘する横澤さんですが、結婚、出産を経た現在、独身時代にブレイクした持ちネタの「ちょっとイラっとくる女」への思いが変わってきていると言います。繰り返しネタの練習をしてきた結果、ふとした瞬間にネタに出てくる女性の発言を言ってしまいそうになるのが悩みだそう。自分のネタが今は反面教師として活きているそうです。

 

PROFILE 横澤夏子さん

よこさわ・なつこ。1990年生まれ。新潟県出身のピン芸人。『R-1ぐらんぷり』では2016年から2年連続で決勝に進出。『女芸人No.1決定戦 THE W』では2018年に準優勝。また、2023年冬に開催された『ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ』にて優勝。プライベートでは2017年に一般男性と結婚、3人の子どもを持つ。『夫が寝たあとに』(テレビ朝日)では藤本美貴とダブルMCを務める。横澤夏子の三姉妹の母として奮闘する日々を記した子育てエッセイ『ドタバタ子育て大作戦 三姉妹のれんらくちょう』株式会社オレンジページより発売中。

 

取材・文/内橋明日香 写真提供/横澤夏子