親とか子どもとか関係なく、ひとりの人間として向き合っていた

── 今、この記事を読んでいる方のなかにも、お子さんがイヤイヤ期真っ最中の親御さんがいらっしゃるかもしれません。当時を振り返って、ジェーコさんなりの乗り越え方がありましたら、教えていただけますでしょうか。

 

ジェーコさん:私は、なーちゃんに何でも選ばせるようにしていました。お出かけ前に靴下を履かすときは、靴下選びからスタートする。お散歩するときは行き先を決めずに、家を出たら「どっちの道に行きたい?」と聞く。そうしていたら、お買い物へ行く日は「今日、ママはこっちに用事があるから行ってもいい?」と聞くと、「いいよ!」と返してくれることが増えました。

 

なので、時間に余裕のある日は、いっぱい選ばせてあげて、親の都合ばかりで連れ回さないようにするのが大事だなと思ったりしましたし、お願いする時はこっそりポケットに忍ばせた賄賂(ゼリー、ラムネなど)を渡して、「今日はよろしく頼む!」と交渉もしていました(笑)。親の言うことを聞いて当たり前って思わず、ひとりの人間として、お互いに尊重しながら過ごすことは育児全般において大切にしています。

 

── ひとりの人間として尊重することは、年齢関係なく大切ですね! ちなみに「イヤイヤ期が終わったかも?」と感じた瞬間はありましたか?

 

ジェーコさん:けっこう早くて、2歳半くらいで落ち着いてきましたね。もちろん「イヤ!」とまったく言わないのではなく、情緒が安定した「イヤ!」に変わっていった感じでした。

イヤイヤ期を経て、垣間見えた心の成長

── イヤイヤ期などを超えて、現在6歳を迎えたなーちゃんですが、ジェーコさんから見て印象に残る、成長を感じられた行動や発言などはありますか?

 

ジェーコさん:成長というと、何をするにも、なーちゃんから「今日は何したい?」「なーちゃんはこうしたいけど、ママはどう?」と聞いてくれるようになりました。お互いにやりたいことを紙に書いて、「今日はここでなーちゃんがやりたいことをやって、ママのはここでやろう!」みたいな感じで、計画を立ててくれたり(笑)。そんなときは「小さい大人かな?」と、ニンマリしちゃいます!

 

── まさに「尊いッ」ですね!

 

ジェーコさん:尊いが止まらないです、本当にッ!!

 

PROFILE ジェーコさん

漫画家。1児の母であり、2019年からInstagram、napbiz blogにて、自身の育児記録や家族の日常を漫画にして、投稿をスタート。SNS総フォロワー数は、16.5万人超え(2025年2月現在)。今作が初の出版となる。近著に『きょうも息子が尊いッ!』(主婦と生活社)。

 

取材・文/鶴町かおり