不調だった10年間に対する焦りはとても強いけど

湘南の風景
4年前から湘南に移住。子育てにもとてもいい環境

── 48歳になられた現在の症状はいかがでしょうか?

 

政井さん:46歳のときに信頼できる女医さんのいる病院で、ホルモン補充療法を始めることにしました。ホルモン補充のためのシールを3日に1度貼り替えるだけなのですが、数日もしないうちに、イライラが減り、気分が明るくなるのを感じました。今、ここ10年でいちばん元気です。

 

また、朝起きたときに感じていた手の関節の痛み、運動したときの動悸も改善し、肌や髪もきれいになった気がしました。女性が一生のうちに分泌する女性ホルモンの量はティースプーン1杯ほどと言われているそうですが、そのホルモンがこんなにも身体のいろんなことに関係しているのかと、症状が改善するなかで驚くことが多かったです。

 

── 体調がよくなっていたことで、今後やりたいことも多いのでは?

 

政井さん:ホルモン療法のおかげで体調のいい日が多くなり、つらい日々に終わりが見えてきたのはうれしいですね。ここ10年ほど思うようには動けなかったことに対する焦りや後悔はありますが、まだまだ学びたいことや、やりたいことはたくさんあるので、無理をしない程度にこれまでのぶんも楽しみたいと思います。

 

更年期障害について、私もそうでしたが「閉経、ホットフラッシュ、イライラの症状が出る」くらいしか認識しかなく、正しい知識がありませんでした。ホルモンの値を血液で測れることやホルモン療法のことを知らない友人も私の周りにたくさんいます。私自身は自分のQOL(生活の質)がとてもよくなったので、ホルモン療法に出合えてよかったと思っています。副作用も含めて医師とよく相談したうえで自分にあったつらい症状の乗りきり方をそれぞれ選べるといいなと思います。

 

アメリカで人気の司会者オプラ・ウインフリーさんがここ数年、定期的に更年期障害や閉経に関するトークイベントを大々的にやっています。医師やハリウッドで活躍する女優さん、オプラさん自身が更年期障害や治療のメリットについてオープンに語り合っていて、とても共感しました。日本でも更年期障害について、前より語られるようになっていると感じます。

 

人生100年時代と言われますから、まだまだ折り返し!これからの人生も充実できるように、しっかり身体と向き合っていきたいと思います。

 

政井マヤ
政井マヤさん

 

PROFILE 政井マヤさん

まさい・まや。1976年生まれ、メキシコ出身、兵庫県育ち。2000年にフジテレビにアナウンサーとして入社。2007年に退社して、現在はフリーアナウンサーとして活動。3人の子どものママ。夫は俳優の前川泰之氏。

取材・文/酒井明子 写真提供/政井マヤ