フリーアナウンサーの政井マヤさんは、30代後半から疲れやめまいに悩まされるようになりました。その後は更年期障害のような症状も出てきて、10年近く体調不良に苦しむことになります。(全3回中の3回)

受け入れられなかった30代の更年期

政井マヤ
政井マヤさん

── 30代後半から更年期障害のような症状に悩まされたそうですね。更年期としてはずいぶん早いうちから、さまざまな不調が訪れたのでしょうか?

 

政井さん:疲れやめまい、イライラなどが起こるようになりました。仕事を1日すると3日寝込むようなことがあり、どうしてこんなにしんどいのだろうと。不調を感じて、人間ドックのたびに相談したり、内科にも行きましたが、はっきりとした病名や治療法がわからず過ごしていました。

 

あるとき婦人科に行き「疲れて仕方がない」と伝えたところ、血液検査でホルモン値を測ってくれることに。結果は年齢の割に数値が低く「おばあちゃんみたいな値」と言われて更年期障害のような症状だと言われました。当時は更年期障害のこともよくわからず、まったくの想定外だったので、ピンときていませんでした。

 

症状緩和のためにピルを処方されたのですが、飲むとつわりのように気分が悪くなってしまい…すぐにやめてしまいました。今思えば、合わなかったことをもう一度相談して、身体が慣れるまでしばらく続けるとか、別のピルに変えたりすればよかったのですが、子育ての忙しさを理由にそのままにしてしまいました。

 

ただ、やはりどうにかしたいという想いがあり、引越したこともあって数年後に別の婦人科に行きましたが、そのときはホルモンの数値が年相応ということで、治療には到りませんでした。やっと治療ができると思っていたので「また振り出しに戻ってしまった」とがっかりしたのを覚えています。

 

── 苦しみながらも、なかなか治療につながらなかったんですね。

 

政井さん:一般的に更年期障害の症状として知られるホットフラッシュはなく、まだ30代で生理もあったので「本当に更年期障害なのかしら」と疑っていました。また2度目の検査でホルモン値は平常と言われたこともあったので、治療の機会を逃してしまいました。内科も婦人科もですが、きちんと主治医を決めずに、その時々で近くのクリニックに通って、継続的にひとつの場所で診てもらわなかったのも反省点です。

 

また私自身の無知も大きかったと思います。更年期障害の症状はホットフラッシュ以外にも30以上もあり、人それぞれであるということや、閉経のかなり前から症状が出ることなど随分後になって知りました。

 

政井マヤ
仕事に励む政井さん

── 更年期障害のような症状が始まったのには、なにか理由があったのでしょうか?

 

政井さん:医師に言われたわけではないので関連はわかりませんが、30代は少し無理をしてしまっていた時期でした。

 

まだ子どもたちが幼いうちに、念願だった夜のニュースを担当させてもらいました。23時に番組が終わって帰宅しても生放送の緊張や興奮から眠れず、4時ごろ寝て7時に起き、子どもたちのお弁当や朝ごはんを作って送り出す生活を週の半分くらい1年ほど続けていました。番組が終わった後になにかおかしい、と身体の変化を感じたのを覚えています。

 

素晴らしいスタッフに恵まれて仕事のやりがいがあったので、当時はまったく「大変」とは思わなかったのですが、体力を過信せずもっと身体のケアをしておけばよかったと思います。