モデルの二宮こずえさんは、2023年にくも膜下出血を発症。検査の過程で、難病のもやもや病を患っていることが発覚しました。手術についてはそこまで重く考えていなかったそうですが ── 。(全2回中の1回)

「自分は健康体だと思っていた」

── モデルやインフルエンサーとしてファッションのお仕事を中心にご活躍されています。同世代の女性ファンが多い二宮さんですが、2023年にくも膜下出血と診断されたと伺いました。異変を感じたときのことを教えてください。

 

二宮さん:日中、頭痛と目の奥に痛みを感じました。普段、頭痛がある方ではないので「眼精疲労かな?」と思って過ごしていたのですが、症状が続いたので「これはちょっとおかしいな」と思い始めました。「病院に行くなら、ちゃんと診てもらおう」と思い、翌日に脳神経外科を受診しました。

 

二宮こずえさん
シャツにニットベスト合わせがかわいい!モデルとして活躍する二宮こずえさん

── 病院でなんと言われたのですか?

 

二宮さん:先生に症状を話したところ「すぐにCTを撮りましょう」と言われました。検査が終わってすぐ「二宮さん、落ち着いてください。くも膜下出血です。ご家族と連絡は取れますか」と言われました。その瞬間に思ったのは仕事の心配でした。今、進めているものや、今後決まっていた仕事をどうしようということが真っ先に頭をよぎったのを覚えています。そのあとすぐ家族とマネージャーに連絡をし、入院設備がある病院に救急車で運ばれました。次の病院でMRIやカテーテルの検査を行い、もやもや病が原因でくも膜下出血を起こしていたと診断されました。

 

── 「もやもや病」について知らない方も多いと思います。

 

二宮さん:私もまったく知らなかったです。脳に、もやもやと細い血管が拡張していく難病で、原因は詳しくわかっていないそうです。先生からは、くも膜下出血や脳梗塞、脳出血が起きてからもやもや病だと診断されたり、脳ドッグで発覚したりケースが多いとのことでした。

 

── これまで自分の体に異変を感じた経験はありましたか?

 

二宮さん:健康診断でも指摘されたことはありませんでしたし、あまり運動はできていなかったのですが、自分としては健康体だと思っていたので「まさか私が」と驚きました。

 

── 治療はどのように進めたのですか。

 

二宮さん:集中治療室でしばらく安静にして、一度退院をしてから手術のために再入院をしました。脳の血管を繋ぐバイパス手術だったのですが、頭蓋骨を開けて、右の頭のてっぺんから耳の近くまで切りました。先生から万が一のこともなくはないと説明は受けていたのですが、きっとすぐ退院もできるだろうし、仕事もすぐに再開しようと思って、そこまで重く考えずに手術を受けました。

 

── 手術時間が当初の予定より長くなったと伺いました。

 

二宮さん:手術は6時間と言われていたのですが、12時間かかりました。手術が終わってそれを聞いたとき、家族はきっと生きた心地がしなかっただろうなと思いました。万が一のために待合室に交代で家族が来てくれていたそうですが、夫にも子どもたちにも両親にも、本当に心配をかけたなと思いました。