「できる人ができることをやる」が夫婦円満の秘訣

── 人目を気にして池を選ぶあたり、いろいろと水内さんのやさしいお人柄が感じられます。思わずほっこりしてしまいますね。お仕事を続けながらの結婚生活となりましたが、家庭のありかたについておふたりで話したことはありますか?
小倉さん:生活リズムも全然違いましたし「できる人ができることをやろうよ」って最初に言ってもらって、今も続いています。料理以外の家事は私より彼のほうが得意です。料理はカレーとかシチューとか箱に書いてある通りに作ればいいものはできると言ってます。
2人とも忙しいときはお総菜を買ってきたほうがいいという判断も上手で、私なんかは「どうしても手作りせねば」みたいな無理な努力をしがちなんですけど、それってかえってどこかにしわ寄せがきたり、ストレスや負担を生み出すことになりますよね。そういうときはパッと買って済ませるというようなリスクヘッジというか、総合的に見てメリットになるマネージメントが上手だなと思います。
家事において私はそこが下手でイライラしがちなので、いつも助けられています。お買い物は、私は事前に何を買うか先々まで考えて何度も行かなくていいよう効率よく1回で済ませたい、彼は今必要なものがあればその都度行く。実はどっちがストレスなのか?ってことですよね。
── たしかに。おふたりの夫婦円満の秘訣は水内さんのそういった部分にもありそうですね。
小倉さん:そうですね。あと、こだわりが強くて譲りたくないタイプの私と、こだわりがない彼というのも、もめない理由かもしれません。一方的に私が怒ることはあっても、彼は切り替えが上手なので、事を荒立てない話し方にすぐ変えてくれたりして、それに気づいて「私も変わらなきゃ」と、自覚したり。

── お互いが悪化させないための歩み寄りをしていらっしゃるところが素敵ですね。
小倉さん:とはいえ、私は夫によく「これは捨てていいの?」って聞かれるんです。取って置いた資料とか、お菓子の空き箱とか。結婚するときに「できる人ができることをやろうよ」と決めましたが、気づいた人(できる人)がやろうって言ってくれた人がいちばん気づいてくれているかもしれません(笑)。
いま年齢の離れた3人の子どもを育てていますが、子育てに関してもお互いに「できる人ができることをやろう」の気持ちが根底にあると思います。
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現在3児のママとして育児にも奮闘する小倉さん。しかし、結婚前には子宮筋腫が判明し、「自然妊娠は簡単ではない」と医師から告げられていたそう。妊活の末、子宮筋腫を抱えながらも奇跡的に3人を授かることになり、43歳で出産した第3子の長男は小学1年生を迎えたそうです。
PROFILE 小倉弘子さん
おぐら・ひろこ。元TBSアナウンサー。東京都出身。1974年9月4日生まれ。1997年にTBS入社。『お天気クジラ』『おはようクジラ』『はなまるマーケット』『ひるおび!』『筑紫哲也 NEWS23』などに出演。ラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』の火曜パートナーでも活躍。TBS最後の日2024年大晦日の放送も務めた。同期は安住紳一郎アナ。プラベートでは、夫は元サッカー選手でスポーツキャスターの水内猛さん。高2、小6、小1の3児のママ。
取材・文/加藤文惠 写真提供/小倉弘子