術後に突然訪れた「恐怖」と「パニック症状」

山葵
腹腔鏡手術直後の様子

── 手術や入院したときのことを教えてください。

 

山葵さん:手術は腹腔鏡で行い、入院期間は10日間でした。リハビリを頑張ったので回復が早く、最短日数で退院できたようです。

 

手術をしたのが8月末だったのですが、2か月後にはTBSのスポーツ番組『SASUKE』への出場や和楽器バンドの活動休止前のファイナルツアーが控えていました。そのため、できるだけ早く復帰したくて、起き上がれるようになってからは、病院の階段の上り下りや筋トレをできる限りやりましたね。リハビリのために歩くのはいいことですが、僕の場合は1階から12階の階段を3往復など、ちょっとやりすぎた部分もあると思います(笑)。

 

── 入院中に不安になることはありませんでしたか?

 

山葵さん:術後すぐは切除できた喜びがあったのですが、術後3日目の夜に急に不安に襲われました。「どうして自分は病院にいるのだろう」「これからも今まで通り仕事ができるのだろうか」「体力はもとに戻るのだろうか」と現実に不安を覚え、体が硬直して動かせずパニックに。鎮静剤の点滴で落ち着いたのですが、そのような経験は始めてで自分でも驚きました。その症状に襲われたのは、その日だけでしたね。

 

── 体力面もかなりきつかったのでは?

 

山葵さん:術前術後で計4日間絶食をしたため、体重は4〜5キロ落ちました。食べられるようになってからも腸に負担をかけない食事が続いたので、エネルギーはもちろん、普段摂っているプロテインなども飲めず…。今までトレーニングを頑張ってつけた筋肉が、あっという間に落ちていくのを感じました。

 

手術から半年経った今でも80%くらいしか戻っていませんが、一度つけた筋肉は体が記憶しているので、トレーニングをすれば以前よりも早く筋肉をつけることができるんです。ただ、バーベルスクワットなどお腹に負荷をかける腹圧トレーニングは、腸にも負担がかかりそうで、怖くてまだ100%の力ではなかなかできないですね。