コロナ禍直後の出産。活力がわかない状態に

── 2020年2月の第二子の出産は、ちょうどコロナ禍が始まったころだと思いますが、何か影響はありましたか?

 

高野さん:出産日が、初期にコロナ感染者が続出したダイヤモンド・プリンセス号が横浜港に到着したと報道された翌日だったんです。私たちはギリギリ立ち会い出産ができたけど、感染拡大が深刻化したことを受け、翌日からは出産立ち会いが禁止になって。だから、次男の成長と同時にコロナ禍の経過も思い出され、「健康に育ってくれてありがとう」という気持ちでいっぱいになります。

 

産後1か月くらいって、特に体調や気持ちが不安定になりやすいと思うんです。私もあの時期は産後うつの初期症状のような状態だったと思います。それに、コロナ禍で外出も厳しく制限され、家族や限られた人以外には会えない時期が長く続いて。すごく気が滅入ってしまって、活力が湧かない状態がしばらく続きました。声が出せない時期もありました。

 

── 当時は世界中がまったく先の見えない状況でした。赤ちゃんの誕生は希望ではあったけれど、お母さんは大変なこともあったと思います。また、40歳という高齢出産といわれる産後でもあって。そんな時期を乗り越えたと思えるきっかけはありますか?

 

高野さん:7歳のころから長くバレエを習っていたこともあり、もともと体の不調には敏感なほうで。次男の産後、心身ともにしんどい状態が続くなかで、「これは体のメンテナンスをしなきゃ」と強く思いました。そこで、知人のトレーナーの方とマンツーマンでトレーニングを始めたら、体の細胞が活性化していくのを感じたというか、あきらかに元気になっていき、声も出せるようになったんです。

 

高野志穂
子どもたちのハロウィン衣装は毎年テーマのアニメを決め、手作りのリンクコーディネートを楽しむそう

コロナ禍には体調を崩してしまい、気分も何もかも落ち込んでいくような状態を経験しました。でも、自分の時間は必ずもとうと決めていて。特に、子どもたちを寝かしつけた後の晩酌の時間は大事にしました。もちろん、体調不良の時期はお酒自体があまり飲めなかったけれど、夫と一緒に大好きなお酒をチビチビ、お水をガブガブ飲みつつ過ごす時間を大切にして。好きな映画を観るだけでもリフレッシュになりました。

 

子育て中って、自分のことをあと回しにすることが多いですよね。でも、それが続くとだんだんと新しい何かを始めようと頑張る気力がわかなくなる。生きる目的すら見失ってしまう気がします。だから、家族のためにも自分のためにも、本当に好きなことに集中する時間をつくることが大事なのかなって。体のメンテナンスも続けて、新しい朝はめっちゃ機嫌よく「おはよー!」って言える自分でいたいですね。