「木山より木山」「細魚」バラエティの思わぬ余波への本音は

── この数年は、バラエティ番組『千鳥の鬼レンチャン』に出演され、一気に子どもたちの間でも人気者になりました。

 

木山さん:たまたまモノマネ芸人のMr.シャチホコさんが番組で僕のものまねをしてくれたんです。そうしたらあまりにも似すぎていて、「木山より木山」って言われちゃって(笑)。SNSでもトレンド入りしたことで、何度か番組に呼んでいただけるようになりました。「本当にありがとう」としか言いようがないですよね(笑)。

 

木山裕策
全国各地を忙しく飛び回る日々。この日は仕事で富山へ

僕は、「歌を通してひとりでも多くの笑顔が増えれば」という気持ちでメディアやテレビに出演しているんですけど、『千鳥の鬼レンチャン』では「細魚」なんて変な名前がついちゃって(笑)。でも、いまだにみなさんから気に入っていただけているみたいです。昨日も青森の会場で「細魚ー!」って声援を受けちゃいました(笑)。

 

予想外の形ではありますが、デビューから17年経って、当時まだ生まれていなかった小中学生の子どもたちにも自分や曲を知ってもらえることって本当に幸せだなと思います。

 

 

コロナ禍での独立で廃業の危機に瀕しながらも、信念を貫き通した木山さん。夢を諦めるなと背中を押してくれた妻と子どもたちの存在がなければ、ここまで続けられなかったかもしれないと語りました。

 

 

PROFILE 木山裕策さん

きやま・ゆうさく。1968年、大阪府生まれ。2005年に甲状腺ガンの手術を受けて無事に成功。2007年、オーディション番組『歌スタ!!』に出演し、異例の2度目の挑戦で合格。2008年2月、家族をテーマにした楽曲「home」でメジャーデビュー。同年『第59回NHK紅白歌合戦』に初出場を果たす。2020年、独立し、以来、作詞作曲も積極的に手掛けるなど活躍の幅を広げる。2024年10月、新アルバム『贈る歌』を発売。著書に『home 家族と歌が僕を守ってくれた』がある。

 

 

取材・文/高梨真紀 写真提供/木山裕策