熊本と福岡で活躍するタレント・えみりィーさんは、「多発性骨髄腫(血液のがん)」と診断を受けました。つらい入院期間もありましたが、病気にならなければ気づけなかったことや感情があったと言います。(全3回中の3回)
病名を公表すると勇気の出る声が続々と届いて
── えみりィーさんが罹患した多発性骨髄腫は、国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」によると、日本では人口10万人あたり6.0人が発症すると記されています。すべてのがんの中では1%で、50歳以上の発症が多いそうですね。えみりィーさんが罹患した30代では、あまり聞いたことのない病名にとまどいませんでしたか?
![えみりィーと家族](https://chanto.ismcdn.jp/mwimgs/5/5/780w/img_550465c6b206e35517b62599a5e46673139237.jpg)
えみりィーさん:すごく孤独を感じました。たとえば、乳がんならまわりにも経験者がいるので相談しやすいのですが、多発性骨髄腫の経験者はいませんでした。周囲に告げても知らないだろうし、誰に聞けばいいのかもわからなかったので、私は早い時期にブログやSNSで病名を公表しました。すると「私も同じ病気だったけど、大丈夫ですよ」「きつかったけど、乗り越えて孫が3人もいるわよ」「元気になって、今度熊本城マラソンに出るよ」など、たくさんの前向きなメッセージをいただきました。
同じ病気の人たちがじつはたくさんいることがわかり、ひとりじゃないと思えました。しかも大きな病気を乗り越えて、次のステージに進んでいる人たちからのメッセージなのが、すごくうれしかったです。
── それはとても心強いですね。治療開始後はどんなメッセージが寄せられましたか?
えみりィーさん:自家末梢血幹細胞移植(自身の末梢血管細胞を採取し、がんを全部死滅させて健康な細胞を身体に戻す治療)のための入院を公表すると、経験者からSNSや手紙でアドバイスがたくさん届きました。抗がん剤を使うと髪が抜けるので、先に坊主頭にする人もいるかもしれませんが「短髪すぎると、枕がチクチクするし、抜けた髪を粘着テープで集めるのも大変だから、ボブくらいがいい」「どんどん抜けていくから、食品衛生用の紙キャップの帽子が便利」「脱毛後のニット帽が細かい網目だとキシキシして皮膚が痛くなるから、網目は大きめがいい」など、経験者でないとわからない知恵にあふれており、すごく役に立ちましたね。
![](https://chanto.ismcdn.jp/mwimgs/a/5/780w/img_a53f72b070e970d7b519d18caa164cba3965854.gif)
── 経験者だからこそ、ですね。SNSの力はすごいです。
えみりィーさん:ネットで検索するといろんな情報が出てきますが、悪いことを連想してしまう内容が多いんですよ。でも、実際に病気を経験した人たちのブログを読むと、前向きに進んでいる人が多いのがわかります。病気をとおして気づくことも多く、病気がつないでくれて、人の輪が広がりました。