アイドル時代の仲間が介護職の同志に
── 2024年に事務所を辞めたのはなぜなのでしょうか?
西田さん:2017年ごろから不妊治療を始めたのですが、治療のためにスケジュールが組めず、芸能の仕事が入れづらくなってしまいました。自分の中で芸能の仕事はやりきった感もあったので、事務所に名前は置いていたものの、積極的な活動をするつもりはありませんでした。
芸能の仕事を抑えて少し時間があったので、介護の仕事を始めたらハマってしまい、現在は介護職と介護の魅力を伝えるための介護タレントとして活動をしています。介護を絡めた仕事を充実させるために、2024年には事務所も辞めてフリーになりました。実は最近では岩佐真悠子といっしょに、介護イベントなどもやっているんですよ。
── 岩佐さんも現在は介護のお仕事を?
西田さん:そうなんです。介護の仕事を始めたのは私のほうが先だったのですが、真悠子も絶対向いているなと。真悠子はサービス精神が旺盛で相手の感情を察するのが得意。あとは芸能の世界にいたので、私と同じでデスクワークに向いていないところもあり、体を動かす介護職には合っていると思いました。
それを本人にもずっと伝えていたところ、2020年に真悠子が芸能界を引退することになり、そのときに真悠子が、「引退を機に私も介護の仕事をやってみようかな」と。そうしたら真悠子も予想通り介護の仕事にハマっていきました。
── アイドル時代の仲間が、今は介護職の仲間になったんですね。
西田さん:すごい不思議なご縁ですよね。真悠子にはアイドル時代から精神的にキツいときも支えてもらいました。家が大変なときに実家に来てくれたこともあり、うちの実家の家族も真悠子のことが大好きです。そんな絆の深い友だちと、今も同じ仕事をしているのは心強いです。真悠子のほうが私よりもあとから介護職を始めたのに、介護福祉実務者研修を取ったのは真悠子のほうが先で。情報交換したり、お互いに資格取得を目指してがんばったりと切磋琢磨しています。
同じ介護の仕事でも、私が得意とするのはリハビリや介護予防。真悠子は入浴介助やおむつ替えなどの身体介護が得意で。得意分野が違うので学びになることも多く、すごく尊敬できる友だちです。
── 今後、ふたりでお仕事もできそうですね。
西田さん:最近ではふたりでトークショーなども行っています。自分たちで手続きや準備をしなければいけないので、てんやわんやです。私としては今後、介護の魅力や楽しさをたくさんの人に伝えていきたいと思っているので、真悠子がいっしょに活動してくれるのは心強いですね。
PROFILE 西田美歩さん
にしだ・みほ。1986年、東京都生まれ。2003年に「ミスマガジン2003」の読者特別賞を受賞し、アイドルとしてデビュー。『めざましテレビ』などのリポーターを務める。現在は介護タレントとして、介護職をしながら介護の魅力について広めている。
取材・文/酒井明子 写真提供/西田美歩