肌荒れや湿疹も出てきてしまい
── 2010年に女性芸人とコンビを組み、2015年に解散。その後、2017年に「納言」を結成されました。2019年あたりから一気にブレイクしていったと聞いています。
薄幸さん:コンビ結成からブレイクは早かったと思いますね。お笑いの仕事だけで食べられるようになったのは、コンビを組んで2年目あたりから。『アメトーーク!』やネタ番組の出演が決まって、一気に仕事が増えたのもこのころです。
── お仕事を通していちばんキツイなと思ったのはいつくらいですか?
薄幸さん:コンビを組んで1年目がいちばんきつかったですね。同期よりテレビに出るタイミングが早かったこともあって、当時は番組に出ても先輩ばかりでした。ひとりだけ太田プロで、あとは吉本の芸人さん同士が仲良くでき上がっているところに入ることも多かったので。お決まりの流れや、そもそもテレビの仕組みをよくわかっていないまま、とにかく「前に出て!」って言われていたので、しんどかったですね。味方はいないなって思ったし、初めて肌荒れとか湿疹も出ていたし。
── ストレスもすごそうです。
薄幸さん:当時はほぼ毎回落ち込んでましたね。番組に出て、帰りのタクシーで号泣しながら帰った日もありましたし、芸人仲間や先輩にもよく話を聞いてもらいました。あと、ありがたいことなのですが、あまりに多忙だったときもよく泣きながらお酒を飲んでました。気持ちに余裕がなかったんでしょうね。ただ、『アメトーーク!』に初めて出演した日は、もうこの先、一生呼ばれないだろうなって思っていました。でも、次も呼んでもらえて。自信はなかったのですが、この感じで攻めても大丈夫なんだってすごく救われた感じがして、そんな積み重ねで今に至ります。
── ところで、世間が思う薄幸さんのイメージと、ご自身でギャップを感じることはありますか?
薄幸さん:感じますね。「テレビより穏やかなんだね」って言われることはたまにあります。エゴサーチは以前はしていましたが、最近は飽きちゃってしてないですよね。私はよく「やさぐれ」って言われるんですけど、お酒やタバコが好きなのは本当だし、自堕落なイメージもあるかもしれませんが、自分ではやさぐれてるとは思ってないんですよね。たぶん『ネタパレ』という番組で、タバコを吸いながら街の悪口を言っていたことがあったので、そこで「やさぐれ漫才」って言われたのが初めだったような。でも実際はやさぐれてないですし、掃除もしますし部屋もきれい。料理も得意ですよ。
── お酒好きとしても知られていますが、どれくらいの頻度で飲まれますか?
薄幸さん:365日飲んでいますが、1日4リットルくらいですかね。何かで割ってますけどね。だいたい居酒屋さんで芸人仲間と飲んでいて、毎回5、6時間くらいですかね。「酒飲みたいっ!」というより生活の一部になってる感じ。タバコもそうですね。タバコは1日2箱吸ってます。もちろん、次の日が早いときは自分でお酒の量も調整できるようになりましたけど(笑)。
PROFILE 薄幸さん
すすき・みゆき。1993年生まれ千葉県出身。お笑いタレント。
取材・文/松永怜 写真提供/太田プロダクション