お笑いコンビ・クールポコ。の「まったく飲まない」小野まじめさんと「お酒好き」せんちゃんさん。彼らが経営するバーで、常連客とのやり取りから見えてきた飲みニケーションの今とは。

きっかけは自宅のバーカウンター

── おふたりは東京・五反田で「せんbar」の経営をしていて、9年目になるそうですね。店を開くきっかけはなんでしたか。

 

せんちゃんさん:僕がお酒好きだったということが大きいです。お酒を並べたバーカウンターを置いていたひとり暮らしの部屋を「せんbar」と呼んで、先輩や後輩と飲んでいたのがきっかけでした。

 

クールポコ。さん
福井県を訪れたクールポコ。のふたりと恐竜との3ショット 

五反田でも飲む機会が多かったので、知り合いづてにいまの場所が空いていることを知って。小野ちゃんから「バー、やってみる?」と言われて、「よし、じゃあ一緒にやろう。コンビで経営するってあんまないしね」って。で、上手くいっちゃったみたいな。

 

小野まじめさん:上手くいってるの?

 

せんちゃんさん:9年も続いたら上手くいってるんじゃないかな。

 

小野まじめさん:僕が店に立つのは月に数回なんですけど、ふたりとも営業などで店に行けない日は、後輩芸人にアルバイトに入ってもらうこともあります。

 

── お客さんは同業の方が多いんですか?

 

せんちゃんさん:いえ、芸人さんはあまり来なくて、地元の方や職場が近い方が7、8割で、あとはその方の紹介などでしょうか。常連さんがほとんどです。たまに「何かで見てきました」という方もいます。以前『出没!アド街ック天国』に出たあとは、新規の方が増えました。カラオケがあるのは強みかなと思います。何件か回って飲んできたあとに歌いたい方も結構、来てくれます。カラオケがあるスナックのような使い方ですね。

 

── 常連さんが多いとのことだったので、ネタをお願いされることはなさそうですね。

 

せんちゃんさん:そういう雰囲気を全力で出さないようにしています。「ここはあくまでバーなんで」って(笑)。芸人バーと思われてしまうと、たぶんアルバイトで入ってくれている後輩たちが疲れちゃうと思うんです。これからもマイペースで続けていきたいと思うので、テンションもいわゆる芸人のときのような高さではなく、口調も普段通りです。

 

── バーを始めて、変わったことはありますか。

 

小野まじめさん:僕はせんちゃんを見ていて、「変わったな」と思います、もともとあんまりしゃべらない人なんですよ。自分からは話をしないというか、自分のペースを持っていて、どちらかというと静かな方だったんですけど。バーを始めてからすごいしゃべるようになったなって。それに、店だけじゃなくほかの場所に行ってもよく話すようになった。明るくなったという印象があります。

 

せんちゃんさん:たしかに、それあるな。一緒に働いてくれている後輩たちもそうなっていっている気がするね。最初はみんなカウンターの中にいて、そこから動かないんですけど、だんだん慣れていくとボックス席の方に行って人に話しかけにいくようになる。コミュニケーションって段階があるなと感じますね。