元AKB48に所属しアイドル活動を行っていたタレントの福留光帆さん。小学校時代からオーディションを受け続け、ようやくつかんだAKBの座。にもかかわらず、2年7か月の活動を経て、2022年にあっさり卒業を決めた理由とは?(全3回中の1回)

オーディションを受け続け、地下アイドルになりかけたことも

幼少期の福留光帆さん
かわいい!赤ちゃんのころの福留さん

── 福留さんはAKB48のメンバーとして活躍されていましたが、小さなころからアイドルになりたかったのですか?

 

福留さん:小学校高学年のときに、同年代の子が出ているドラマを見て俳優になりたいと思い、子役事務所に入りました。でも仕事がぜんぜんなくて、2年ほど所属して辞めることに…。もともとはアイドルが好きだったんです。アイドルが出てくるアニメが好きだったこともあり、ずっと憧れていました。中学2年生のときにNMB48に好きなメンバーができて、それがきっかけでグループに入りたいと思い、オーディションを受けるようになりました。

 

── オーディションにはどれくらい挑戦されたのですか?

 

福留さん:中3からAKBに加入する高校1年生までいろんなオーディションを受けたのですが、落ち続けていました。地下アイドルのグループに加入できそうになったことがあったのですが、「やっぱりAKBグループがいい」って思ってお断りしたんです。

 

高校時代の福留光帆さん
オーディションを受けまくっていた高校生のころ。体育祭での一枚

── 地元の兵庫県から離れるのは心配ではなかったですか?

 

福留さん:グループのメンバーになりたいという気持ちが先走りすぎて、受かったときのことはなにも考えていませんでしたね(笑)。それこそHKT48(博多)もNGT48(新潟)も受けましたが、受けた後のことは想像もしていなかったです。だから、本家であるAKBに受かったときは、気が動転してしてしまって。めちゃくちゃうれしかったことは覚えているのですが、あまり実感はわかなかったです。

 

── オーディション合格を伝えたとき、ご両親はどのような反応でしたか?

 

福留さん:ずっとオーディションを受けていたので、前向きに応援してくれていました。AKBの最終審査では、母と一緒に上京したんです。でも、オーディション会場には来られなかったので、合格したら来てもらうことになっていて。合格が決まって、母に「合格したから会場に来てほしい」と伝えたんですが、「また冗談言って~」って感じで、5分くらい信じてもらえませんでした(笑)。そんな母ですけど、合格してからもめっちゃ応援してくれましたね。

念願のAKB合格も、コロナ禍でコンサートや握手会が中止に

── AKB48のレッスンは厳しいそうですが、グループに加入して戸惑いませんでしたか?

 

福留さん:コンサートで披露する曲はワンハーフ(主にイントロから最初のサビまでを指す)なので、たった2分半しかありません。それでも何日間も練習していました。生写真の撮影も、一日に10着くらいの衣装に着替えるんです。すべてが初めての経験だったので大変でした。

 

ただ、2019年の10月6日に加入したんですが、その3か月後にまさかのコロナ禍に突入してしまって。本格的にアイドル活動が始まると思っていた矢先にライブ活動ができなくなったんです。なので、グループとしての活動は本当に少なかったですね。

 

AKB48時代の福留光帆さん
AKB48時代の福留さん

── 想像していたアイドル活動とは少し違ったでしょうね。

 

福留さん:握手会も自粛になってしまったので、想像とはかなり違いました。もちろん、アイドルとして動画で配信番組をやるのも楽しかったのですが、ファンに会えない日々で、モチベーションを保つのが難しかったです。

 

── アイドル活動と学業を両立されていたと思いますが、大変ではなかったですか。

 

福留さん:逆に学校生活があったから、動画だけのアイドル活動でも精神的にどうにか保てていたというのはありますね。学校では、ほかの教室の生徒や先輩が教室まで見物に来るとかはありましたが、アイドルだからといって特別扱いをされるわけでもなく、かといって距離を置かれることもなくて。すごくいい環境に身を置けていたと思います。

 

高校1年生でAKBに加入したので高校とアイドルを両立するかたちだったのですが、それほどアイドル業が忙しいわけではなかったので、高校生らしい生活は送れていたと思います。高校3年生のときに出席日数の都合で通信制の高校に転校はしたものの、転校先もいい先生ばかりでした。

 

── バラエティ番組で、アイドル時代はファンが4人しかいなかったとおっしゃっていた記憶がありますが…。

 

福留さん:握手会の代わりとして「オンラインお話会」みたいなのがあって、ファンの方と交流してお名前やお顔を覚える機会があったんです。そのときに交流したのが4人でした。でもAKBのファンの方って、ステージに立っているアイドルが好きなんですよね。私のときは、そういうパフォーマンスを見せられる機会がほとんどなくて。劇場公演にも1回しか出られなかったので、ファンの方に観てもらえる機会はすごく少なかったと思います。コロナ禍でなければ、ステージの上でアイドルとしての姿を見せることで、「あの子いいな」って思ってもらえたかもしれないのに…という後悔はありますね。