決めたことはやり抜いて欲しい父の気持ちをよそに
── 小学校1年生だと、時間管理でも声かけが必要な家庭もあるようですが、いかがですか?
福田さん:風呂入れ、ご飯食べろ、朝ちゃんと起きろって毎日、言っててもやらない。時間の感覚わかってんのかなって思うことはありますね。朝8時に家を出るのに7時50分の時点で何もしてないとか。優先順位も理解してないから、親としては「まずはご飯をとにかく早く食べてほしい、終わったら歯磨きして欲しい」と思っているのに、息子は「おもちゃで遊びたい。タブレットがみたい」って。そんな時間の余裕はないってわかってもらいたいけど、小学1年生だとなかなか難しいんですかね。
── 子育てについて、夫婦でも意見が違うことはありますか?
福田さん:食事でも、俺は基本的に残さず全部、食べてほしい。もったいないから。でも奥さんはお腹いっぱいならええよと。夫婦で言ってることがバラバラだから、子どもからすると迷うことはあるでしょうね。
── 自転車のお話しかり、福田さんはこれをやるって決めたことはちゃんとやってほしいと思う方ですか?
福田さん:そうです!ざっくり言うと、息子に幸せになってほしいんです。友だちみんなで「自転車乗ってどこか行こうぜ」ってなったときに、「ぼく自転車乗れへんから行けへん」ってなったら悲しいじゃないですか。だから、今は嫌かもしれないけど、頑張って練習しようよと。みんなで「この本おもしろいね」って言ってるときに、自分だけ字読めへんかったら恥ずかしいし、本の感想とかみんなの話に入っていけなかった悲しくない?じゃあ練習しようって。
ただ、前にそんな話を息子にしたときに「ぼくは本なんか読めなくてもいい」って言い出して。いやいやちょっと待てよ。話変わってくるぞ、みたいな。それはあかんよ。楽しいことがどんどん減っていくんやでって言っても、理解してくれるときもあれば、嫌だって言われることもあるし。今は勉強頑張っていい学校行って、いい学校行ったらあんな仕事がしたいとか、もっと可能性広がるから一回はやってみたらって言ってるんですけど。
── 息子さんの将来も考えて。
福田さん:自分でも俺ってこういう人やったんやって気づくことも多いです。もともと俺って何か言われても我慢できる方だし、いちいち言い返さないんだけど。父親になったらこんなに熱が入るんだって気づいて。宿題の手を抜いたのがわかったら「なんで書けないの?」とかけっこう強めに言うし。でも、こんな言い方されたら算数、引き算嫌いになるやろうなとも思って。じゃあなんて伝えたらいいんだろうって、どうしたら息子が幸せになれるんだろうって、日々考えています。
PROFILE 福田充徳さん
ふくだ・みつのり。1975年生まれ。京都出身。幼稚園から幼馴染だった徳井義実と1998年チュートリアルを結成。2006年にM-1優勝。2016年に結婚し、現在は1児の父。
取材・文/松永怜 写真提供/福田充徳