「娘の反抗期と自分の更年期が重なるのかなとは思っていましたが、まさかイヤイヤ期と一緒だとは思っていませんでした。こう話すのは産後に更年期症状が現れ、現在治療中の清川麻衣子さん。卵巣機能が低下し、40歳未満で閉経を迎えることを早発卵巣不全(早発閉経)と言い、体にはさまざまな影響があるといいます。
「座っているだけで滝のような汗が」
現在、2歳の娘の子育て中の清川麻衣子さん(39)。清川さんは、出産後数か月経って体に異変を感じるようになったと話します。
「産後3か月で生理が来たのですが、これまで規則的だった月経の周期が早くなったり遅くなったり、不規則になりました。月経の量は多いときもあれば、少ないときも。そのほかにも胃痛や頭痛、だるさなど、さまざまな症状があり、体だけではなく心にも影響がありました。
いつもできていた仕事や家事が億劫になり、無気力になってしまう日がありました。気持ちの浮き沈みが大きく、一時期は離婚の危機まで。睡眠不足や慣れない育児疲れもあるので、夫へのガルガル期のような感じで、味方であるはずの夫が敵のように感じていました。でも、産後のホルモンバランスの変化でそんなこともあるのかなと思い、最初はあまり気にしていませんでした」
その後、だんだんと気になる症状が現れるようになり、婦人科を受診したといいます。
「ただ座っているだけで、顔を中心に1時間に1回くらい滝のような汗が出てきました。いわゆるホットフラッシュと呼ばれる火照りが出てきて、これは何かおかしいなと思い、婦人科に行き検査をしました」
清川さんは不妊治療を始めた3年前に行ったAMH検査(卵巣予備能検査)で、卵巣に残っている卵子の推定数が極端に少なかったことを思い出していたと言います。
「35歳のときに不妊治療を始めたのですが、このときにすでに卵巣年齢が50歳くらいだと言われていました。閉経の平均年齢が50歳くらいなので、数年以内に閉経するというのはなんとなく聞いてはいたんです。体外受精を始めて運良く1年で娘を授かることができ、出産ができたことは本当に奇跡です。不妊治療の際に指摘されていたのである程度予想はしていたものの、出産後に先生から『閉経しています』と言われたときはショックで涙を堪えるのに必死でした」
その後、薬の服用などをして症状は落ち着いているといいます。
「治療を始めたその日の夜から、ホットフラッシュがなくなりました。やっぱり、それまでの症状は更年期によるものだったんだなと。今も体調がよくない日はありますが、日常生活に支障はない程度です。症状が落ち着くと気持ちも安定しました。不妊治療の際に検査した卵子の数はやっぱり合っていたんだなというのが正直な感想です」