定期検診のたびに不安に襲われて

大友愛
スリットスカートからきれいに伸びる足はモデルなみ

── それは母子ともに大変でしたね…。退院後はどうでしたか?

 

大友さん:退院後は順調に回復して、ミルクもたくさん飲めるように。すぐにぷくぷく体型になってくれて安心しました。ただ、1歳半のときに血管を拡張するカテーテル手術を受けて、その後は半年に1度の定期検診を受けていました。最初の数年は定期検診の日が近づいてくるたびに「今回は大丈夫かな」と不安でドキドキしていましたね。

その後、定期検診の頻度が1年に1回になり、心之介も「これくらい元気ならもう大丈夫でしょ!」と思わせてくれるような元気な子に育ってくれたおかげで、ようやく「もう大丈夫かな」と私も思えるようになりました。

 

10歳になった今は柔道とバレーをやっていて元気いっぱいです。身長も平均よりずっと大きいし、とにかく元気に動く体力おばけになりました。

 

── 柔道とバレーボール、両方の才能を受け継いでいるかもしれませんね。ではもうすっかり心配のいらない状況でしょうか。

 

大友さん:普段の生活はまったく問題ないのですが、実はそろそろ再手術を受けるタイミングが近づいているんです。

これから成長期に入ってどんどん大きくなっていくと、体格にあわせて血管も広げないといけないそうなんですね。そのためには全身に血流が行き渡るように、10歳以降のどこかで血管を広げるカテーテル手術を受ける必要がある。それをいつにするのか、これからお医者さんと相談していくことになりそうです。

 

── 現在はきょうだい4人が全員バレーボールを習っているそうですが、習い始めてからの変化はありますか。

 

大友さん:長女の美空を指導してくれた監督さんのチームに次女と三女が、長男は別のチームにそれぞれ通わせています。どちらのチームも「バレーだけ上手くなればいい」という方針ではなく、自分のことは自分でできるようになるとか、技術以外の面もしっかり教えてくれるところがありがたいですね。

子どもたちも監督をすごく信頼しているみたいで、最近は「ママはこう言うけど監督はこう言ってたもん!」なんて否定されることもあるんですよ。でも、親以外にも信頼できる大人がいるのはいいことだと思うので、良い方向に成長しているなと感じています。

 

PROFILE 大友愛さん

おおとも・あい。1982年、宮城県出身。中学からバレーを始め、高校3年時には世界ユース選手権で優勝。2000年、NECレッドロケッツに入団し、翌年には全日本代表に初選出される。04年、アテネ五輪に出場。結婚、長女の出産を経て08年に復帰。ロンドン五輪で銅メダルを獲得。現在は4児の母。

 

取材・文/阿部花恵 写真提供/大友愛 撮影・衣装協力/(株)ATEYAKA