部屋に溢れたジュースが腐って花が咲いていたという逸話を持つお笑いコンビ・駆け抜けて軽トラの餅田コシヒカリさん。その後、マッチングアプリで知り合った彼のおかげで、汚部屋から見事に脱却します。(全2回中の2回)
マンゴージュースがこぼれた後に
── 餅田さんの部屋がいわゆる「汚部屋」だった時期があると聞いています。自覚したのはいつくらいですか?
餅田さん:高校を卒業後、宮城から上京して専門学校に通っていたときに、住んでいた寮がどんどんゴミ屋敷になってしまったんです。退去する前に母が手伝いに来てくれましたが、床と絨毯の間にこぼれたままのマンゴージュースが腐っていて、そこから何か得体の知れない花が咲いているのを見たときに「アレ?」とは思いました。実家では母が掃除してくれていたし、寮生活でも人に指摘されるまで自分が周りとは違うとは思ってなかったんですけど。
新しい部屋に引っ越しても同じですね。洗ったものをしまうとか、使ったものを元の場所に戻すとか、めんどくさくなっちゃうと全部自分の近くに置き始めるんです。洋服も洗濯機で洗い終わったものは干さずに床にボンって置いちゃうからまた汚れるし、3階の部屋に住んでいたときは1階のゴミ捨て場まで行くのが遠くて…。
── 相方の小野島さんが部屋に来たときは衝撃を受けたそうですね。
小野島さん:あるとき餅田さんが「部屋が汚いから帰りたくない」というんです。後日、アポなしで部屋に行ってみたらびっくり!玄関を開けた瞬間「獣の匂い」がするし、床は一面ゴミですよ!ほどんとゴミの上で寝てたよね。
── ただ、この3年はすごく綺麗になったとか。
餅田さん:今はめっちゃきれいです!YouTubeの企画で小野島さんに協力をしてもらい、ゴミ屋敷を綺麗にしました。物をたくさん捨てたおかげもあり、引っ越した先の新居でも部屋を綺麗に保てるようになりました。その後、今の彼氏と出会ったのですが、彼はすごく掃除好きで、同じ場所に同じものがないと嫌な人。ちょっとでもずれているとすぐに直されます。私とはかなり真逆ですね。彼に影響されて私も洗濯物を畳んだり、ゴミを捨てたりするようになりました。
── ちなみに、今おつき合いされている方はマッチングアプリで知り合ったそうですね。
餅田さん:今の彼に出会うまでたくさんの男性の方と会いました。毎日、誰かしらと会っていた気がして、人から「疲れない?」って聞かれたこともありましたが、当時20代で若かったのと、楽しさよりも寂しさを埋めたい感情が強かったんだと思います。ひとりで孤独に過ごすなら誰かといたほうが楽しい。アプリで出会った人とはお茶だけの日もあれば、ラウンドワンとかアミューズメント的なところに行くか、居酒屋が多かったかな。芸人をはじめた当初は居酒屋でバイトをしていましたが、友だちは社会人になって日中働いているし、バイトするまでの時間がとにかく暇。本来は昼間も誰かの舞台を見に行くとか勉強するんでしょうけど、そういう気もなかったですし。
── 今やマッチングアプリも珍しいことではなくなっていると思いますが、子どものころから寂しがりやな一面などありましたか?
餅田さん:基本、寂しがりやだと思います。両親がオーケストラに入っていたので演奏会で家を開けることが多かったんです。3人兄弟で小さいころは兄とも遊んでいましたが、途中から兄がサッカーを習い出して、兄弟で遊ぶことも無くなっていきました。東京に出た後もずっと寂しかったですし、彼氏が欲しいなと思ってマッチングアプリを始めました。