起業して変わった時間の使い方

── 起業したあと、働き方はどう変わりましたか。

 

関原さん:会社員時代は、土日も関係なく、それこそ家族でディズニーランドにいるときも仕事の電話をしていました。自分で会社を起こして、寝ても覚めても仕事のことは考えているのですが、自分でスケジュールを組めることは大きいです。たとえば、夕飯が終わった30分間や子どもたちが寝たあとでも仕事ができます。これまで包丁を握ったこともなかったのですが、今ではすっかり料理にハマって、穴子をまるまる1匹買ってきてそれを捌いて天ぷらにすることもあります。妻からも「ようやく一人前になった」と言われました。

 

── 本格的ですね!

 

関原さん:料理には苦手意識があったのですが、一歩踏み出してみれば皆さん絶対できると思います。最初はYouTubeを見ながら見よう見まねでスタートして。僕が料理をするようになって子どもたちが料理に参加するようになりました。双子の男の子が、親父がやることは自分もやってみたいと思うようで、「手を洗ってきたからこれやりたい!」と言われることが増えました。

 

保育園着のサブスク
色や柄のバリエーション豊富な保育園着

── 家庭での時間の過ごし方はだいぶ変わりましたね。

 

関原さん:自由に使える時間はかなり増えました。子どもたちを取り巻く環境に余裕があれば、その余裕を使って男性がもっと家事をすることもできますし、女性が社会で活躍できる時間になることも、身をもって体験しました。

 

どうしても女性に育児や子育ての負担が大きいのが日本の現状で、世の中のサービスがまだまだ追いついていないところがあると思います。キャリアを優先したいけれど、夫も働いているから自分が犠牲にという発想も根強くあると思うんです。将来の日本を支えていく人材を育てているのに、子どもがいることがデメリットになるという発想があると、出生率も下がりますし、社会保障の問題にも直結していきます。子どもを育てながら働く世代の負担を減らせるような事業にしていきたいと思っていますし、社会的なインパクトも残していけたらいいですね。

 

取材・文/内橋明日香 写真提供/関原勇喜