EXITのりんたろー。さんは、若手芸人の頃に8年間、介護のアルバイト経験があります。最もイメージが変わったのは「排泄の介助」だと語るりんたろー。さんに話を伺いました。(全3回中の1回)

上司から「お笑いと真摯に向き合っていない」

── 若手芸人の頃、芸人の仕事と並行して介護の仕事のアルバイトをしていたそうですね。さまざまな職種のなかから介護職を選んだ理由はなんでしたか。

 

りんたろー。さん:それまでパチンコ店でバイトをしていたんですけど、仕事が急に入ってシフトに穴を開けてしまうことがありました。スタッフ同士の仲が良かったので、いつもは誰かが代わってくれていたんですが、たまたま代わりが見つからない日があって。

 

りんたろー。さんと愛犬

上司に「すみません」と報告したら、「お前が真摯にお笑いに向き合っていないから、みんなが代わってくれないんだよ」と言われてしまって。仕事を急に休むことになったぼくが悪いんですけど、お笑いに対する姿勢まで否定されるのはちょっと違うなと。そのあと泣きながら店を飛び出したんです。

 

── そのあとどうされたんですか。

 

りんたろー。さん:そのまま辞めてしまいました。それで、次のバイト先をどうしようかと思っていたときに、介護施設のオープニングスタッフの募集を見つけました。おばあちゃんっ子でしたし、介護の仕事をする方って、あったかい人が多いのかなというイメージもあって。チャラ男芸人として売っていこうと思っていたので、それとのギャップがあるし、働いていくなかでネタになりそうなエピソードが生まれるかなという思いもありました。バイトをただのバイトで終わらせたくないという気持ちでしたね。

 

── おばあちゃんと一緒に暮らしていたんですか。

 

りんたろーさん:いえ、小さい頃は夏休みのたびに北海道にある母親の実家に行って、一緒に過ごしていました。母親が足の手術をしたときにも祖母と一緒にいましたね。一緒に住んではいませんでしたが、大きくなってからも頻繁に電話はしていて。高齢者に対する抵抗感というものはありませんでした。おばあちゃんから、「りんちゃんは優しいね」と言われて育ったので、もしかしたらこの仕事が合うのかなと思ってやってみました。

 

幼少期のりんたろー。さん
「面影あります!」幼少期の可愛らしいりんたろー。さんと祖母

── その後8年間、介護のアルバイトを続けたと伺いました。

 

りんたろーさん:パチンコ店のほか、焼肉店や居酒屋でも働いたことがあったんですけど、決められたルーティーン作業をすることがぼくにはしんどくて。介護の仕事もだいたい同じ流れはあるんですが、人と関わる時間が多いです。レクリエーションをしたり、散歩をしたり、利用者さんと会話しながら一緒の時間を過ごすことが自分にはすごく合っていました。それに仕事が急に入っても、スタッフの皆さんがこころよくシフトを代わってくれて。芸人の仕事も応援してくれていたので、そういった環境もマッチして長く続けられたんだと思います。