元・おニャン子クラブメンバーの内海和子さんは、長年ホストファミリーとして海外から日本へ留学してくる学生を受け入れてきたそう。ホストファミリーを始めることになった経緯や学生との交流についてお話を伺いました。(全5回中の5回)

当初は大反対していた私がハマってしまった

内海和子さん(Instagramより)
実は20人以上の“母”になっていた!(Instagramより)

── 内海さんはホストファミリーとして、海外からの学生を家に受け入れてこられたそうですね。

 

内海さん:はい。現在は義母との同居が始まったので中止していますが、もうかれこれ20年くらい受け入れていて、総勢20人以上の子どもたちを送り出してきました。もともと妹夫婦に子どもがおらず、「学生さんをホームステイで受け入れたい」といって始めたものでした。1年の半分を海外で過ごすような夫婦でしたから、いろいろな国の子との交流を喜んでいました。引っ越しの都合で妹夫婦が辞めることになり、うちが引き継ぐことになりました。といっても、同居している私の母が勝手に引き継ぐことを決めたんですよ。

 

当初、私は他人を家に入れることに抵抗がありましたし、ましてや言葉が通じない外国の学生さんとどうコミュニケーションしたらいいのかわからず、反対していました。でも、うちの母がとても社交的で「どうしてもやりたい!」といって聞く耳を持たず、母のボケ防止にもなるかと思ってスタートしたんです。きっかけはそんな感じでしたが、私がすっかりホストファミリーにハマってしまいました(笑)。今では巣立ったみんな会いに戻って来てくれるのが嬉しくて。世界中に家族が増えたのは宝ですね。

かけがえのない家族を持てるのは本当に奇跡

内海和子さんと留学生
留学生たちが大集合!

── 20人以上も!なかなかできることではありませんよね。どのような学生さんたちがホームステイなさったのでしょうか?

 

内海さん:上智大学に留学してくる子がメインでしたが、早稲田大学の子や中学生の子ども、社会人もいました。印象に残っている子のひとりで、ボストン大学を卒業して日本の大学に来た上海出身の女の子がいるんですが、家がとてつもないお金持ちで。わが家に来るやいなや「最高技術のレーシック手術を受けたい」「美容整形も受けたい」と相談されたんです。「うちにいる間はうちの子だから心配させるようなことはしないで!」と言ったんですけど、本人の熱望もあり、結局私とご両親で相談して、安全な病院を探して施術をコーディネートをしたことがありました。

 

お金の使い方がケタ違いな暮らしをしてきて、いいものをたくさん食べて育ってきた子が、わが家で普通の食事を食べながら「和子さんのお料理が一番おいしい」と言ってくれたのは嬉しかった。そんな彼女も今はボランティアで世界中を飛び回って活躍していますよ。

 

つい先日も、コロナ禍で強制帰国せざるを得なかった子が、わが家に帰ってきてくれました。去年はご家族も一緒に来てくれて、家族ぐるみで仲よくさせてもらっています。言葉は通じなくても、ファミリーとして親密なつき合いができて本当に嬉しいです。留学で日本を好きになって、日本で働いて生活しているんですけど、「息子を育てるってこういうことか」というくらい、彼の人生に介入させてもらう経験をしましたね。かけがえのない家族を持てるというのは本当に奇跡です。もう本当に、どの子にも思い入れがあって。全員に会って「よく頑張ったね!」と抱きしめたいです。

 

中学生で預かった子は特に、普通に子育てをしている感覚でした。今は台湾でモデルとして、もはや手の届かないところで活躍していますけど、そんな子を楽しませたくて回転寿司に連れて行ったりしたことが懐かしいです。今でもSNSで多くの子たちと繋がっていますし、結婚式にも呼ばれて行ったことがあります。ホストファミリーのよさは、送り出した子たちの成長を見る楽しみがあるということですね。世界に散らばる子どもたちをいつか訪ねて行きたいというのも密かな老後の楽しみです。