先日、歌手デビューを果たしたものまね芸人のハリウリサさん。LGBTQやいじめを公表したハリウさんが、性の悩みをひとりで抱えていた過去の葛藤について打ち明けてくれました。(全2回中の1回)

「なんでお前、女なのに女が好きなの」

── フジテレビ「千鳥の鬼レンチャン」で、歌のサビを1音もはずさず歌いきり、10曲連続クリアの「10レンチャン」を見事に達成されました。反響はいかがですか。

 

ハリウさん:声をかけてもらうことが増えました。母もテレビに出演したので、街を一緒に歩いていると、むしろ母が先に気づかれることの方が多いくらいです。

 

ハリウリサさんと母
10レンチャン達成の賞金100万円を手に笑顔のハリウさん親子

母はひとりでいても街中で声をかけられることが増えて、恥ずかしがっています。もともとはちょっと喧嘩っ早いと言いますか、言われたら言い返すみたいな勝気な性格なんですが、「リサのイメージに繋がるからちょっと大人しくしなきゃ」と言っています(笑)。

 

あとは、LGBTQで悩んでいる方から、「歌を聞いて励みになりました」というようなメッセージをいただくことも増えました。

 

── ご自身の性への悩みはいつ頃からありましたか。

 

ハリウさん:小さい頃から男の子への憧れがありました。女の子っぽい服を着せられると嫌がっていた記憶があります。自分のなかではそれが普通の感覚でした。でも、小学生の時に、友達同士で「好きな子の名前を言おう」ということになったんです。

 

私は女の子が好きだったのでその子の名前を言ったら、「なんでお前、女なのに女が好きなの?おかしいだろ」と言われて笑われました。そこで初めて、「女の子が好きなのは普通じゃない」と気がついて。そこからは周りに言わずに、男の子を好きなふりをしたり、無理をして女の子っぽい服を着たりするようにしていました。

 

ハリウリサさん
「フリフリ靴下にスカート」“女の子らしい”洋服を無理して着ていたという幼少期のハリウさん

母がフィリピン人で、見た目の違いからいじめられた経験があったので、「もういじめられたくない」というのが真っ先にありました。自分が人と違うと気づいてからは、周りと馴染もうと必死でしたね。

 

── 最初に誰かに話したのはいつでしたか。

 

ハリウさん:仲がいい友達に、高校を卒業してから言いました。17歳のときだったと思います。「実は私、女の子が好きなんだ」って。

 

── 友達はどんな反応でしたか。

 

ハリウさん:「うん、なんかそんな感じはしてた。想像はついていたよ」って。決して、気持ち悪いとか、嫌な反応はされませんでした。でも、「今まで男の子が好きって言っていたのはなんだったの?」と聞かれたので、「周りに馴染みたかったから嘘をついていた」と打ち明けて、「そっか」と受け入れてくれました。

 

友達に話したことで、素でいれると言いますか、もう嘘をつかなくていいと思ったら、精神的なストレスはすごく減りました。人に言うのはすごく怖かったんですが、信用できて、打ち明けられる人にだけでいいので、悩みがある方は誰かに話してみてほしいなと思います。その友達とは今も仲がいいです。