キュートな笑顔が印象的なものまねタレントのりんごちゃん。たくさんのレパートリーで私たちを楽しませてくれるりんごちゃんの笑顔の裏側には、ひとつの強い思いがありました。(全4回中の4回)
「親の味を覚えておきたくて」一緒にチャーハンを作ることも
── りんごちゃんは、ものまねはもちろん、料理上手としても知られています。ご実家が中華料理店ということですが、もともと料理を作ることはお好きなのですか?
りんごちゃん:好きですね。最近は特に好きだなあって思います。嬉しいことに、以前から「りんごちゃんが作る料理っておいしいよね」とよく言われるんですよ。今まではピンと来なかったけど、最近は自分でも得意なんだろうなって。
これは完全に親譲りですね。やっぱり子どもの頃から、親が厨房で鍋を振る姿を見てきたし、料理を味わってきたからだと思います。味覚というか、おいしく作る勘どころは多分、親からいただきました(笑)。
── 子どもの頃からお手伝いをしたり、一緒に料理をしたりもしていましたか?
りんごちゃん:はい。手伝いは今でもします。実家の店では親が忙しく動き回っているので、皿洗いをするくらいですけど。最近は、親たちも歳をとったなあとしみじみ思ったりして。だから、ふたりが元気なうちに親の味を覚えておきたくて、私の好物のチャーハンを一緒に作ったりします。
── 得意料理はやっぱり中華ですか?
りんごちゃん:そうですね。でも中華だけじゃなく、イタリアンでも何でも作りますよ。私、レシピさえあれば初めての料理でもおいしく作る自信があります。最初はレシピを見ながら作るけれど、2回目以降は見なくてもだいたい作れますし。これもきっと親のおかげですね。
「私は私」と思うと、心が穏やかになる
── 最近は商品プロデュースなどでも活躍されていますね。ご自身でデザインしたコラボTシャツには、「自分らしく」というメッセージを発信されています。どんな思いがあるのでしょうか。
りんごちゃん:そのTシャツ、家でもよく着ています(笑)。胸元に大きく「ME」って入れました。「私」って。
自分に誇りを持ったり、自信を持ったりすることって難しいと思うんです。私は自分に自信がない部分が多いから、自分に誇りを持っている私ってあまり想像できないんですけど、そんな私だからこそ思うことがあって。
「こういう自分、好きじゃない」って思う一面も私だと思うんです。「よく頑張りました」の自分も私。ダメな自分とちょっとおもしろいなと思う自分、2つとも私なんですよね。
人って、日々失敗や落ち込むことがあると、どうしてもネガティブになりがちですよね。でも、ダメだったなと思う自分のことを「ダメだ、ダメだ」って責めると、自分の一部分が欠落してしまいそうな気がするんです。ダメな自分も「私なんだよ」って受け入れてあげることが大事なのかなって思っています。だから、コラボTシャツで「いろんな自分があるから私」という思いを伝えたくて、「ME」のロゴをデザインしました。
── いろんな自分があるから私、なんですね。
りんごちゃん:「私は私」って思えれば、自然と心が穏やかになって、傷つく回数が減るような気がします。
私自身、「おもしろい自分もダメな自分も私」って受け入れることで、自分で自分に傷つけてしまった傷に包帯を巻けるようになったんです。「これもあたしじゃん」みたいに。けっこう、自分を責めてしまうところがあるので。
傷に包帯を巻くのも反復練習が必要で、すぐにはうまくできないかもしれない。でも、「私は私」と心の中で唱えているうちに、いろんな面があることが自分らしさなんだなって思えるようになったんですよね。いろんな方にもそう思っていただけたらいいですね。
──「自分らしく生きる」ことに向き合って頑張っている人は多いと思います。
りんごちゃん:「頑張る」って、辛かったり、悲しかったりすることもセットになっていると思うんです。「今日は仕事でこういうことができなかった」とか、自分を自分でダメだって傷つけてしまうことが多い気がします。「そんな自分も私なんだよ」って受け入れるだけで少しラクになる。「そんなに悩まなくても大丈夫ですよ」って言いたいですね。