“ギャップ芸”でおなじみ、ものまねタレントのりんごちゃん。テレビ番組の出演をきっかけにブレイク後、活躍の幅を広げています。いつも笑顔のりんごちゃんですが、毎日泣いていた頃もあったそうです。(全4回中の2回)

泡だらけのデッキブラシでズッコケたら…

りんごちゃん

── 高校卒業後、子どもの頃からの夢だった芸能界を目指して青森から上京されました。東京ではアルバイトで生活を支えながら、大変なこともあったと思います。

 

りんごちゃん:思い返せば上京したばかりの頃は、毎日家に帰って泣いていましたね。

 

ある日、職場で床掃除をしていたんです。デッキブラシを泡だらけにして。そうしたら、泡だらけの床の上で私がズーン!(ワイルドな声)って派手にズッコケてしまって。足からひっくり返るみたいに、背中も宙に浮く感じでベーン!って倒れちゃったんですよ(と当時の様子を身振り手振りで再現しながら)。

 

もう恥ずかしさとおもしろさでいっぱいになりながら、「滑っちゃったー!」って笑って顔を上げたんです。そうしたら、上司が笑みを忘れたかのような表情で私を見下ろしていて。今となっては笑える話なんですが、当時はものすごくショックでした。

 

そのときに、青森にいた頃はみんなが笑ってくれていたことが、東京では通じないんだと実感して。「東京ってこんな世界なの?」「これが大人の世界なの?」と思ったことは今でも覚えています。あの頃は、社会の厳しさ、大人になって仕事をすることの厳しさを痛感することが多くて、とまどっていました。

下積みの10数年を耐えられたワケ

── つらいなかでも、支えになったり、頑張ろうと思えたりすることはありましたか?

 

りんごちゃん:高校からの親友が私よりも少し後に上京してきたんです。それからは「どんなことがあっても親友がいるから大丈夫」と思えるようになりました。その親友の存在が、今でも変わらず心の支えになっていますね。

 

上京した頃のりんごちゃん
上京した頃のりんごちゃん

── 青森の頃からのご友人とほぼ同時期に上京できたのは、よかったですね!

 

りんごちゃん:本当によかったです。上京してから十数年は、親友がいてくれたおかげでつらいときも頑張れたと思います。

 

親友も大都会に出てきてから紆余曲折あって…言葉は悪いですが、お互いクサっていた時期がしばらく続きました。特に20代は「今日も楽しいことが何もなかったね」とか、愚痴や不安な気持ちをすべて共有して、支え合っていたなって。親友には本当にたくさん話を聞いてもらいましたね。今は、いろんな意味で大人になって、お互いに高め合いつつ、たりない部分を補って成長を促せる関係性になれたと思います。

 

上京して、いろんな人と出会っていろんな経験をしてきたけれど、出会った人にはひとり残らず感謝しています。すべての出会いが今の自分につながっていると思っているので。