亡くなった友達に伝えたかったこと

おかもとまり

── 次第に映画の原作を書くなど、ものまねタレント以外の道も切り拓いていきました。

 

おかもとさん:『青の帰り道』の原作を書き始めたのは、22、23歳くらいからです。20代前半のときに自死した友人がいて、その子のことを救えなかったことをずっと後悔していたんです。もしも友達に「生きる道はひとつじゃないよ」と伝えられていたら、生きていたかもしれない。もし、今友人と同じような気持の人に伝えたら、誰かの命が救えるかもしれないと思いました。たくさんの人に伝える方法として映画化することを考えました。

 

── そこからどのように映画化したのでしょうか?

 

おかもとさん:当時所属していた太田プロダクションに原案を提案したら、背中を押してくれました。サッカーチームのスポンサー調達をしていた方を通じて資金を集め、制作会社にプレゼンして企画を進め、2018年に『青の帰り道』として映画が公開されました。

 

今振り返ってみると、アイドル、芸人、映画の原案に携わるなど、芸能活動を始める前からしたら考えられないほど、さまざまな分野で活躍できたことに自分でも驚いています。芸能活動を始めるきっかけとなった太田光代さんに、少しだけ近づけたかなと思います。

 

PROFILE おかもとまりさん

1989年生まれ。群馬県出身。ものまね芸人と活動しながら、映画『青の帰り道』を企画し原案を担当。現在は1児の母でありメンタルケアの講演会講師、絵本の制作、ブロガーやインフルエンサーとして活動。

 

取材・文/間野由利子 写真提供/おかもとまり