かわいすぎる芸人として、また広末涼子さんのものまね芸人としてブレイクしたおかもとまりさん。アイドルとして活動する予定が女芸人として注目されることになり──。(全3回中の1回目)

アイドルをしていた時期

おかもとまり
休憩中にて

── 芸能界に興味を持ったきっかけを教えてください。

 

おかもとさん:中学生時代から爆笑問題の太田光さんとそのパートナー太田光代さんのファンで、光代さんの行動力や売り込み能力に憧れていました。偶然見かけた「あなたの夢を応援します」というオーディション案内に応募し、アイドルオーディションに合格。将来、光代さんのようなプロデュース力を身につけるためにも、まずはアイドルとしてデビューしました。

 

── 最初はアイドル活動をされていたんですね。それがなぜものまねタレントに?

 

おかもとさん:まわりのアイドルの子たちは、都会の雰囲気で垢ぬけてかわいい子ばかり。ビジュアルだと自分は絶対に勝てないから、自分には別の何かが必要だと気づいて。思いついたのがものまねでした。私は、周りの人たちから話し方がスザンヌさんぽくて、顔は鳥居みゆきさんに似ているとよく言われていました。自分では意識したことがなかったものの、メイクや話し方をマネしてみたら似ているかも?と思えてきたんです。それをきっかけに、オーディションでものまねを披露し始めました。

 

── 2010年、広末涼子さんのものまねでブレイクしました。

 

おかもとさん:広末涼子さんのものまねがブレイクする1年前、テレビのオーデイション番組でスザンヌさんや鳥居みゆきさんのものまねを披露するものの全然、合格しなくて。そんなときに先輩の芸人さんからアドバイスを受けて、テレビのものまね番組で披露したのが広末涼子さんのものまねです。

 

── 大きな反響があったかと思いますが、おかもとさん自身はどう感じていましたか?

 

おかもとさん:まったく自信がなかったので驚きました。放送日翌日にはグラビア雑誌から取材依頼があり、そこに「かわいすぎる女芸人」と書かれていて、そこから芸人になりました(笑)。

 

でも、「広末さんのネタをしてください」と言われて披露すると、かわいいと言ってもらえるものの、おもしろい返しがわからなくて先輩に相談したんです。先輩から「でも、私、足が臭いんです!と言えば?」とアドバイスをもらいました。ある日、久本雅美さんが司会を務めるテレビ番組でネタを披露してかわいいと言われたあとに、言われたとおり発言したら、久本さんに「私は全身臭いわ!」と笑いにつなげてくれて、とても助かりました。

 

── 当時、「お嫁さんにしたい女芸人ランキング」で1位を獲得されました。

 

おかもとさん:20歳頃、テレビに初めて出演したばかりで、まさか名だたる芸人さんを抑えて自分が1位に選ばれるなんて思っていなかったから、すごくびっくりしました。同時に、自分のことを知ってくれている人がたくさんいるとわかり、とても嬉しかったです。

 

── 芸人と言われることに抵抗はなかったのでしょうか。


おかもとさん:もともと私は爆笑問題さんが大好きで、お笑いは尊敬するジャンルでした。自分が芸人になることは想像もしていなかったし、ましてや、その夢を叶えたときは、ハードルがかなり高くなってしまって、苦しかったです。私がものまねをしていた20歳前後の頃は、アイドルなのかものまねタレントなのかわからず、迷いながらも必死に活動していました。今振り返ると楽しむ余裕は全然なくて、もっと力を抜いて楽しめたらよかったかもしれません。

 

── すごくお忙しい時期だったかと思いますが、いかがですか?

 

おかもとさん:大変なこともありましたが、毎日いろんな現場に行って、たくさんの人と出会い、刺激的で楽しかったです。ものまねのお仕事を軸に、いただいた仕事を続けていくことで、自分の可能性もどんどん広がっていたので感謝しています。