3月末で12年間所属した事務所を退社し、独立したキンタロー。さん。独立後すぐに見舞われたトラブルへの対処は、日頃の子育てが活きたそうで──。

ネタ中のトラブルも自分で対処

── 独立してから、仕事への向き合い方は変わりましたか。

 

キンタロー。さん:基本的にいただいた仕事をすべてお受けするというスタンスは変わっていません。事務所に所属していたころは私に選択肢をくれたので、仕事を選ぶこともできたのですが、常に危機感を抱いていたので、まだまだ仕事を選ぶ立場にはないと思っていました。自分はまだ新参者という意識があって、精進し続けなくてはならないという気持ちがあります。

 

キンタロー。さん
「AYUで〜す!!」浜崎あゆみさんのカウントダウンライブで披露したものまね

ただ、子どもが生まれてからは、すぐに返事を出せないことが増えました。独身の頃はがむしゃらに仕事をしていたのですが、泊まりがある仕事だと、シッターさんに依頼できるかも関わってきます。「聞いてみるので、ちょっと待ってください」と、いったん調整をしてから答える必要が出てきました。でも、基本的にすべての仕事を受けるというのは、独立したいまも変えていません。

 

── 事務所に所属してきたときと比べて変わったことはありますか。

 

キンタロー。さん:当たり前ですけど、現場に誰も来ないので、寂しさを感じることはありますね。営業で、企業の方とやりとりをする際も、もちろん自分で対応して、間に入ってくれる人はいません。

 

先日、ネタ中に、壇上に上がってきてしまった人がいたんです。今までそういう事態が起きなかったのは、事前に事務所がアナウンスをするとか、私が知らないところで対処してくれていたのかなって。今までは運がよかっただけかもしれませんが、独立した途端にこういったことが起きたので、私がベストパフォーマンスを出せるように守ってくれていたのかと思うと、余計に喪失感が生まれました。これまで当たり前のようにしてもらっていたことも、これからは自分でしていく必要があると感じました。

 

── 壇上に上がってきた人への対処はどうしたんですか。

 

キンタロー。さん:私も突然のことで「どうしよう」と思ったのですが、ふと「男の人は永遠に男の子の心を持っている」と誰かに聞いた話が頭をよぎって、「よい子は、下でしっかり座って、見れる人〜?」と、子どもに呼びかけるように声をかけたんです。そしたら、その方々も「は〜い!」と元気よく答えて、おとなしく降りてくれました。ここで、「やめてくださいよ!」と正面から立ち向かっても角が立ってしまうと思ったので。まさか日頃の子育てがここで活きるとは思っていませんでした。

 

── ナイスでしたね!子育てでいうと、お子さんはキンタロー。さんのご活躍をどう思っていますか。

 

キンタロー。さん:テレビにママが映っているというのは当たり前のような感じで、なんの違和感もなく観ていますね。私が出てくるとすごく喜んで「ママ〜!」と言って指さしているのは嬉しいです。

 

キンタロー。さん