Eテレの番組に10年以上「おねんどお姉さん」として出演する岡田ひとみさん(43)。ねんドル(ねんど職人+アイドル)として20年以上活躍していますが、その原点はアイドルを目指し、個性に悩んだ20代にありました。(全4回中の1回)
きっかけはディズニーランドのショー
──「ねんドル」(ねんど職人+アイドル)として20年以上活躍されています。子どものころから芸能界を目指していたそうですね。
岡田さん:そうですね。「エンターテイナーになりたい」と決めたきっかけはよく覚えていて、小学校4年生のときに、ディズニーランドの「ショーベース2000」という半野外ステージで、キャラクターショーを見たんです。そのときに客席から「あのステージに立って、歌ったり踊ったりしたいな」と思ったのがはじまりです。そこから「どうやったらなれるかな」と自分なりに調べたり、両親に相談したりしました。
── 明確に覚えているんですね。デビューのきっかけはなんだったのですか?
岡田さん:エンターテイナーになりたい、と思ったものの、なり方がわからなくて。私は群馬の田舎育ちで、今のようにインターネットもなく、新聞で劇団オーディションの広告を見かけるくらいでした。両親に相談しましたが「わからない世界だから」と反対されていました。それでオーディション雑誌を買って読んでいたんですが、高校生のときに文化放送の番組でアイドルを育成するコーナーがあることを知ったんです。
それで高校2年生のときにオーディションを受けて、合格することができました。週の半分以上、群馬から東京にひとりで通って、生放送に出る生活だったんですが、本当に楽しくて勉強になりましたね。
群馬の訛りがあったので、アクセント辞典を買ってイントネーションをチェックしたり。あとは生放送で面白いことを話さないといけないから、素人ながらにネタ帳を作ったりしていました。あとは、類語辞典で「こういう言い方をしたら、もっと素敵に聞こえるかな」と調べてみたり。
── 勉強熱心ですね…!
岡田さん:目指していたエンターテイナーに一歩近づけたので、楽しくてしょうがなかったんです。でも、生放送で発信した言葉がそのまま広がってしまうので、言葉を選びながらやっていました。女の子がたくさん出演している番組だったので、そんななかでも自分の個性を出したいと試行錯誤していましたね。
その番組のレギュラーが終わった後、スカウトしていただいた事務所に入ったんですが、両親が反対していたこともあって、高校卒業後は東京の短大に進学をしたんです。進学が上京の口実になるかな、と(笑)。それに、人前で話すのは責任のあることなので勉強もしたほうがいいと気づいたのもあって。それで大学に通いながらオーディションを受けて、モデルやエキストラの仕事をしていました。