78歳でX(旧ツイッター)をはじめ、今やフォロワー数は20万人以上(2024年4月現在)。当時は想像もできなかった新しい人生を切り拓いた女性がいます。『人生後半のひとり暮らしを穏やかに楽しむ』にも登場して話題の大崎博子さん(91歳)に人生を楽しむ秘訣をうかがいました。

あのとき自分を奮い立たせた勇気を褒めてあげたい

昭和7年(1932年)生まれ。78歳から始めたX(旧ツイッター)のフォロワー数は20万人超え(@hiroloosaki)。楽しみは毎晩の晩酌と3日に1回ほどに通う健康麻雀。著書に『90歳、ひとり暮らしの知恵袋』(宝島社)ほか

78歳当時、大崎さんには、仕事という毎日のルーティーンがなくなってから、健康麻雀や太極拳などの趣味で楽しく過ごせる時間はありましたが、漠然とした不安がいつもつきまとっていました。それは、「これからどう生きればいいの?」ということ。娘は海外に住んでいるため、大崎さんにとっては身近ではありません。頼りたいと思ったときに近くにいないのであれば、「誰にも迷惑をかけずに生きていく方法」はなんだろうかと、これからの生き方について考え続けていました。

 

そんなときにロンドンに住むひとり娘から、「Xを始めてみれば」と提案があったのです。「パソコンを使えば、海外でも無料で通話できる」とも教えてもらいました。当時は高い国際電話代金を支払っていたので、やらない手はありません。早速、東京・銀座のアップルストア内にあるパソコン教室に約1時間かけて電車で通い始めました。この年になって、本当に覚えられるのかと不安はありましたが、丁寧に教えてくれたこともあり、みるみるうちにパソコンを触ることが楽しく感じるようになりました。

 

最新のスマホは91歳の誕生日に購入。病気もせず日々頑張っている自分へのプレゼントに。アイパッドはスマホの調子が悪くなった時のための予備

「振り返ると、あのとき、えいやと自分を奮い立たせてパソコンを買い、若い人に混じりながらも教室に通った勇気を褒めてあげたいと思います。今ではXが毎日の趣味として加わり、たくさんの人と交流をもてるなんて、当時は想像できませんでした」

 

やがて、スマホとアイパッドも加わり、電子マネーやLINE を使いこなすように進化していきました。ひとつの勇気とチャレンジから大崎さんのライフスタイルは大きく変化していきました。

 

毎朝の日課である太極拳から帰ってきたら、軽くランチを済ませて、午後は日の当たるダイニングでのんびり。日記を書いたり、Xを投稿したり、友人とメッセージのやりとり。穏やかな日常がいい