55歳のときに31歳の夫と再婚した藤あや子さん。シングルマザーだった藤さんが、年齢差24歳を飛び越えて、交際から5か月の結婚した背景とは。(全5回中の2回)

周囲に勧めていたはずが

── 2017年、藤さんが55歳のときに24歳年下の旦那さんと結婚されました。まず旦那さんとの出会いを教えてください。

 

藤さん:私は舞台公演があるときは終演後に行きつけのスポーツマッサージ店の方に来ていただいて施術をお願いしているんですが、夫はそこに勤務するトレーナーさんのひとりでした。他の方よりも施術がすごく丁寧だったので、専属のトレーナーとして毎回来てもらうようになったんです。施術時は、私はうつ伏せですので、夫の顔も見たことなく、しばらくして「あらっ、こういう方だったのね」と知りました。

 

真面目な人という印象で、施術開始時には身支度が完璧に整っていましたから、「ああいう人と結婚すると幸せになれるわよ」と周囲のスタッフにすすめて、「彼と一緒に帰りなさい。ほら、帰って帰って」と二人の時間を作らせたりしていたんです。

 

そうやって人に勧めていたくせに、気づいたら自分の方が「いい人だな」みたいになってしまいました。

 

── 「素敵だな」と思い始めたきっかけがあったのでしょうか?

 

藤さん:出会ってから1年ぐらい経ったころでしょうか…。きっかけも何も、「人って急にこんな気持ちになるの?」っていう感じで突然でした。言うじゃないですか、自分でもわからないうちに人を好きになるような、交通事故にあったみたいな、そんな感覚。
びっくりしましたよ。相手は31歳で、年上の方とお付き合いした経験も「ない」って言っていましたので。

 

── そうだったんですね、そこから二人の仲が深まったきっかけはありますか?

 

藤さん:ちょうど引っ越しをするときに、重い物もあって大変なのよと話しをしていたら、夫が「僕空いているので手伝いますよ」って言ってくれたんです。でも、休日なのに悪いし彼女とデートとかあるんじゃない?と聞いたら、「彼女もいないですし、予定もないので大丈夫です」と言われて、意外だな…と。

 

何度か手伝ってもらっていた時に、たまたま新車を購入していたので初乗りのお誘いをしたんです。それも夫は快くOKしてくれて、河口湖を目指してドライブに行くことに。だけど、当日は私が高速道路で目的地を通り過ぎてしまい、その先の蓼科にある馴染みの旅館でランチをすることになったんです。そしたら旅館の方が、近くにある白駒の池の紅葉がとてもきれいなんですよと教えてくださり、行ってみたら本当に見事で。二人ですごく感動しましたね。それがきっかけでいろいろな場所へお出かけするようになりましたよ。

 

後でわかったことですが、結婚のご挨拶をお義母さんにする際にその話をしたら「白駒の池って私たちの新婚旅行先よ!」と教えていただき、運命的だと思いましたね。