小学生と同じ土俵に立っていて
── お子さんは小学校5年生ですが、プレ思春期的なところもありますか?
長谷川さん:まだないですね。褒められたら喜ぶし、怒られたらしょげる。そういう分かりやすいところが子どもらしくて見ていてホッとしますね。もちろん年齢なりに反発してくることもありますけど、まだまだかわいいもの。ただ「もうちょっと私の心が広かったらなあ」と思うことはあります。小学生相手についつい同じ土俵に立っちゃって「あっ、今けんか売ってない?」なんてなっちゃうので(笑)。
── 長谷川さんとお子さんのそんなやり取りをなだめてくれるのは旦那さんですか?
長谷川さん:そうですね。夫は仲介上手なんですよ(笑)。私と子ども、一人ひとりに話してくれるんです。たとえば「子どもにこんなこと言われて大変!」なんて夫に言うと、落ち着くように諭してくれます。息子にも「ママだってこういう事言われたら傷つくんじゃないかな?」なんて話してくれて、私たちが仲直りできるように仕向けてくれるんです。
── とても“大人”な旦那さんなんですね。
長谷川さん:切り返しがすべて大人ですね。私がぎゃぁぎゃぁ言っても「まぁまぁ、落ち着いて」なんていつもなだめてくれて、本当にお世話になっています。本当に感謝でしかないですね。だからいつも思うんですよね…私、何が一番恵まれていたかって言うと、モデルの仕事ももちろんそうですが、一番は夫と結婚できたことなのかなと。
── 結婚当初はメディアでも大きく報道されました。
長谷川さん:そうですね…。当時は素直に新婚を喜べませんでした。幸せではあったんですが、私の顔が割れているだけに、彼や彼の会社の方に迷惑をかけているんじゃないか、幸せと思ってはいけないんじゃないか、と心配の方が勝っていたんです。でも夫はいつも通り接してくれて「大変だけれど、乗り越えていきましょう」と。大ごとになり、大変な思いをさせてしまったなと思いますね。
これまでその時々で「結婚したいな」とか「結婚するかも」という方にも出会ってきましたが、でもそう至らなかったのは「この人と結婚することは初めから決まっていたのかな」と。両親も常々言うんです。「旦那さんのことを大切にしてちょうだいね」って。ことあるごとに必ず。そんなこと言われる娘なんてなかなかいないですよね(笑)。
PROFILE 長谷川理恵さん
1973年生まれ。神奈川県出身。大学在学中に雑誌『CanCam』の専属モデルとしてデビュー。女性ランナーブームを牽引しながら、食や健康に関する知識も豊富で、さまざまな資格を保有している。
取材・文/平岡真汐 写真提供/長谷川理恵