2012年に第1子を出産した長谷川理恵さん。小学5年生になった息子さんは中学受験を考えているそうですが、思うように進まなかった時期があったと言います(全3回中の2回)。

息子の勉強をすべて見張ってしまっていた

── 息子さんの中学受験を考えているそうですが、息子さんの勉強にはどのように関わっていますか?

 

長谷川さん:いよいよ来年度は受験だなと思いながら、食事の面など健康面のサポートはしますが、勉強のことは基本的にはその専門である塾の先生にお任せしています。

 

── 中学受験は保護者が勉強も全面サポートする家庭が多いなか、長谷川さんは始めから塾の先生にお任せしていたのでしょうか?

 

長谷川さん:いえいえ、実は息子が通塾当初は全部見ていました。見ていたというか、今考えると見張っている状態でしたね(笑)。普段はもちろん、テスト前は勉強し始めるまで見張り、なおかつ「宿題また忘れたの?」とか「またこれ間違えたの?」と口を出してしまって…。そうやって言い続けて息子に勉強をやらせれば一時的に成績はよくなりましたが、無理矢理やらせていただけなので、成績はすぐ元に戻って、私はまた口を出す。その繰り返し。今思うと、子どものすべてをコントロールしようとしてしまっていました。

 

── その状態は、お子さんはもちろん母親としてもツラかったのでは?

 

長谷川さん:息子は母親に褒められたい時期なのに、私は否定ばかり。私も私で自分の仕事などやるべきことがあるのに、そちらにばかり気を取られていて、「もう、こんな状況嫌だ!」と叫び出しそうでした。息子もとてもツラかったと思います。

 

── 旦那さんは受験に対して何かお話されていましたか?

 

長谷川さん:もともと夫は中学受験にはどちらかと言えば反対だったんです。ですが、中学受験に挑戦すると告げた時、「二人で決めたことならば、挑戦してみたらいいのでは」と、背中を押してくれました。いつも私たちを外から見守ってくれていましたが、イライラしている状態の私を見た時は「もう受験をやめてもいいんじゃない?」と言っていましたね。

料理中

── どうやってその状態から抜け出したのでしょうか?

 

長谷川さん:「このままでは親子関係まで壊れてしまう」という状況にまで私の気持ちが追い込まれてしまった時がありまして…。母親がこんな状態ではいけないと思い、私が勉強を見る必要のない、予習や復習も含め、勉強面ではすべてに対応してくれる塾に変えることにしました。教室を探していくなかで、息子の勉強だけでなく私の悩みも相談し、「自分たちに任せてください」と言ってくださる先生との出会いがあり、今はそちらの先生に全面的にお世話になっています。

 

── 塾の先生からアドバイスはありましたか?

 

長谷川さん:新しい塾の先生からは、「むしろお母さんは本当に関わらないでください」と「家では『すごいね』って声かけだけをしてあげて、お子さんのモチベーションを上げていきましょうね」と言われました。息子だけでなく私までそんな風に先生から教育していただいて今に至っています(笑)。

 

── でも受験期が近づいてきて不安はありませんか?

 

長谷川さん:もちろん不安なこともあるんですけど、あの状態は本当にお互いのためによくなかった。子どもの受験なのに、母親の受験のようになってしまっていたんですよね。少し冷静になった今は中学受験も「長い目で見たら、たいしたことないじゃん」と思えるようになりました。今では受験に反対していた夫の方が、「もうちょっと勉強しなくて大丈夫?」なんて息子に言っているぐらいです。