1986年、当時中学3年生で芸能界デビューした立花理佐さん。2000年に結婚後は子育てのために仕事をセーブしていました。働き方を変えるきっかけとなった旦那さんとの出会いやお子さんのことについて伺いました。(全4回中の3回)
私より先に母にプロポーズ!?
── 旦那さんとの出会いはいつだったのですか?
立花さん:私が21歳の頃です。初めは友人の友人という感じで出会いました。当時の事務所の社長公認だったので、デートも堂々としていましたね。そこから7年も付き合ったので私は結婚したかったのですが、彼にあまり結婚願望がなくて。友人や親に会わせたりして、外堀から埋めていきました(笑)。
── そこからどうやって結婚することに?
立花さん:ある日、母が入院したんです。母はがんで余命宣告を受けていたのですが、そのときは、病気のことはまだ父だけしか知らず…。私は彼と一緒に母のお見舞いに行くことにしたんです。それまでも彼と母は何度も会っていて、母は彼のことがお気に入りだったので。母の日であり、母の誕生日でもある日に病院へ向かいました。
すると、彼が病室に入るなり母に向かっていきなり「理佐さんと結婚します」って宣言したんです。私にすらまだ直接プロポーズしていない状況だったので、「えー!」ってびっくりしました。
── 本人ではなくお母様に向かって結婚宣言ですか!?
立花さん:そうですよ。病室には父もいたんですよ(笑)。母は彼のことが大好きだったので、とても喜んでいましたね。ただ、母の病気のこともあったので、それからすぐには籍を入れず、実際に入籍したのは母が亡くなって喪が明けた一年経った頃だったと思います。
── 結婚、出産後はお子さん中心の生活にシフトされていましたね。
立花さん:10代の頃から仕事をしていた私にとって、人生の優先順位は「仕事が一番」がそれまで当たり前だったんです。でも産後は同時に、子どもがかわいくていっときも離れたくないという気持ちも湧いてきて。しばらく現場にも子連れで行っていました。
ある日、海外で海外に行くロケの打ち合わせをすることになったのですが、そのときに子どもが熱を出しました。「子どもが熱を出したから打ち合わせに行けない、どうしよう!」と仕事のことばかり考えていた私を見て、お医者さんから「子どもと仕事、どっちが大切なの?」と怒られてしまい。子どもが中心の生活にシフトしようと決意しました。そこからは泊まりの仕事は辞めて、バラエティや子ども関連の仕事だけにしています。
でも、子育ては本当に大変ですよね。アイドル時代はあんなに寝ないで働いていたのに、夜中に起きて子どものお世話をするのは全然違う大変さで、しんどかったです。そんな息子も早いものでもう19歳です。私が元アイドルだってことはあまりピンと来ていないみたいです(笑)。「私もこんなふうに昔はテレビで歌っていたんだよ」って言っても「ふーん」って感じで。曲も聞いたことがないんじゃないかな。
息子の卒業式ではちょっとしたハプニングも
── 2020年に直腸がんが発覚しましたが、そのことで家族に変化はありましたか?
立花さん:説得して病院に連れて行ってくれたのは夫です。入院してからもコロナ禍で面会制限があるなかで、着替えなどを毎日持ってきてくれました。退院後は怖くて外に出られない時期もありましたが、夫と一緒に散歩はよく行きましたね。
── 息子さんはどうでしょうか?
立花さん:当時、息子は高校生でした。「実はがんになったんだ」と打ち明けたのですが、「ふーん」というそっけない感じで。ただ、私の事情を知っている息子の学校の先生に後々、「息子さんは、周りの友だちにも話すことなく、毎日頑張っていましたよ」と言われました。態度はそっけなかったですが、息子なりに頑張っていたのかもしれません。
── 息子さんの高校行事などには、あまり参加できなかったのでは?
立花さん:そうなんです。退院後も体調のことがあり、外出できなかったので、進路相談などにもあまり行けずに申し訳なかったですね。卒業式は悩んだのですが思いきって行くことにしたら、夫に「高校の卒業式なんて、ふつう親は行かないよ」と言われて。だからサッと行ってサッと帰ろうと思い、すっぴんで行ったところ、大失敗。みんな記念撮影をしているんです。やっぱりふつう親は行くんですよ(笑)。
あたふたしていると息子が、「先生が昔、お母さんのファンだったんだって」と先生を連れてきて…。化粧もしていなかったので焦ったし、先生も驚いたでしょうね。
息子も今は大学生になってしまい手が離れ、年頃なのかあまり話してくれません。それでも好きな韓流アイドルが出ているドラマを「一緒に見る?」なんて最近は誘ってくれて、テンション上がっちゃいましたね。
PROFILE 立花理佐さん
1971年生まれ大阪府出身。1986年に「第1回ロッテ CMアイドルはキミだ!コンテスト」で優勝し、芸能界デビュー。ドラマ「毎度おさわがせします3」や映画「ビー・バップ・ハイスクール」に出演。歌手としてのヒット曲も多く、現在はバラエティなどでも活躍。
取材・文/酒井明子 画像提供/立花理佐