コロナ禍をきっかけに週休2日で働き始めたNON STYLE石田さん。子どもたちとの接し方はどう変わったのか。イクメンと呼ばれて違和感もあると言います。(全4回中の4回)

子どもたちのテンションが下がっても

── 人気芸人さんだと休みなく働いている方も多い中、石田さんは週2日お休みを取ってご家族と過ごされているそうですが、なにかきっかけがあったのでしょうか?

 

石田さん:ずっと仕事に専念していましたが、コロナ禍で3か月舞台がなくなったんです。家族についても改めて考えるようになり、父親としてもっと子育てに関わりたいと思いました。

 

── 週休2日にしてからお子さんたちの反応はいかがでしたか?

 

石田さん:以前は双子の娘たちにとって僕はゲストのような存在でした。一緒にいる時間が少なかったので叱る機会も少なかったし、たまに遊んでくれる楽しい人と認識されて、僕がいると子どもたちのテンションも高かったと思います。

 

週休2日にすると、楽しいだけではなく子どもたちを叱る機会も増えてきたので以前ほど子どもたちのテンションは高くないのですが(笑)、必要なことなのかと思ってはいます。

 

── 仕事への影響はありましたか?

 

石田さん:とくにないですね。時間の使い方次第だと思いますが、今は移動中に仕事に関する動画を見たり音楽を聴いたり。将来の仕事に繋がる可能性があることを意識しています。むしろ今まで無駄な時間を過ごしてきたのかもしれません。

 

また、休みの日はいっさい仕事をせず、子どもたちとの時間に全力を使います。芸人仲間から僕の子育てをマネしようと言われることもあれば、逆に、僕の子育てを見て自分の立場が悪くなるという人もいます。人それぞれですからね。僕は、子育てをしたいから週休2日にしたほうが合っているというだけの話です。

イクメンと呼ばれて

クリスマスケーキを前に娘たちと

── 石田さんは、イクメンと呼ばれることもあると思いますが、ご自身ではどう感じていますか?

 

石田さん:僕は自分の人生楽しんでいるだけなんですよ。とくに意気込んで、「子育てに積極的に参加するぞ!」と思っているわけではなく、子どもの成長を見逃したくないだけです。子どもだけでなく、奥さんも含めて楽しませることでポジティブなエネルギーが家庭全体に広がります。何より自分自身が一番楽しむことも重要です。自分が満足していないと他人を満足させることはできないから。

 

── 現在、石田さんには三人のお子さんがいますが、どのように過ごしますか?

 

石田さん:僕が好きなことで、子どもたちも楽しめそうなことを考えて遊んでいます。たとえばクイズを作って子どもたちに出題すると、子どもも自分で考えたクイズを出す。または、“父ちゃんダンス”踊れるかな?と言って僕が踊ると、子どもたちも一緒に踊る感じです。

 

ブリッヂをするはずが

── 石田さんは、もともと子ども好きですか?

 

石田さん:好きですね。僕の場合は、子どもというより人の笑顔がすきなんやなって思います。ただ、自分でもこんなに子どもと遊ぶのが楽しいとは正直思ってなかったです。

 

この間、子どもと公園で遊んでいたら、近くにいた子どもたちとも一緒に遊ぶことになりました。途中で、なぜか僕だけが池のまわりを走ることになっていましたが、それがまた楽しかった。子どもがいるからこそ些細なことも幸せに感じます。

 

PROFILE 石田 明さん

大阪府出身。学生時代の同級生、井上祐介とNON STYLEを結成。三人姉妹の父親として、2020年から週休2日の働き方を取り入れる。ブログ「NON STYLE石田明オフィシャルブログ」やInstagram「nonstyle_ishida」でも発信中。

 

取材・文/間野由利子