「サバサバしていそうだと言われます」と語る黒谷友香さん。高校3年生のときにモデルデビュー。その後俳優としても活躍の場を広げながら、大事にしていることとは。(全3回中の1回)

体型維持のために

── 高校3年生のとき、モデル活動を始めたそうですね。

 

黒谷さん:雑誌のモデルに憧れて自分で応募しました。誰にも言わずに紙面デビューしたときは友達に驚かれましたね。

 

── モデルの仕事をするため、当時は大阪から東京まで通っていたんですよね。

 

黒谷さん:週末になると、実家の大阪から東京まで新幹線に乗って撮影現場に向かいました。東京の男の子が「~だよね」と話しているのを聞いて、なんて優しい言い方をするんだろうと驚きました。私は関西弁ですが、九州や新潟からモデル事務所に来ている子もいて、いろんな地方の言葉が聞けるのはすごく楽しかったです。

 

── 高校3年生だと食べ盛りの時期ですが、東京に来てモデルとして体型維持のために何かされたのでしょうか?

 

黒谷さん:周りに思春期の子が多かったせいか、ダイエットや食事制限も特に言われることはなかったですね。しいていうなら、グレープフルーツのアロマオイルが食欲を抑えるのにいいと聞いたので、なんとなく食事の前後にグレープフルーツを食べていたことはあったかな。効果のほどはわかりませんが、モデル時代の楽しかった思い出のひとつです。

 

黒谷友香

── 19歳のとき、モデルから俳優に転身しました。どのようなきっかけがあったのでしょうか?

 

黒谷さん:大阪弁を話す女の子役で、阪本順治監督の映画『BOXER JOE』への出演が決まったことがきっかけです。映画出演を機に、本格的に俳優としてやっていくことに決めました。

 

── その後、つかこうへいさんの舞台にも出演されます。

 

黒谷さん:慣れない舞台に必死でした。稽古中はもちろんのこと、本番が始まってからも毎日のようにセリフや展開が変わるんです。毎日新しい台本が配られ、家に帰ってセリフを覚えても、翌日の舞台ではまた変わる。目の前のことをやるのに必死でした。他の映画や舞台ではあまりないことだそうですが、俳優を続けていくうえで、すごくいい経験になりました。

サバサバとしていそうと見られて

黒谷友香

── 俳優として世間からどんなイメージで見られることが多いですか?

 

黒谷さん:サバサバしてそうと言われることもあるし、クールな印象を持たれることもありますが、どちらも本当の自分だと思います。「もっと話しかけづらい人かと思っていたけど、こんなおかしな人だったとは知らなかった」と言われることもあって、おかしな人って何やねん!みたいな感じですが(笑)。

 

── 長年、俳優として活躍されています。仕事で行き詰ったり、やめようと思ったことはありますか?

 

黒谷さん:おかげさまで仕事を辞めようと思ったことは一度もないです。もちろん失敗したり、落ち込んだりしたことはありますよ。そんなときは、尊敬する俳優の仲代達矢さん他大先輩方の物事に動じない姿を思い出し、気持ちを立て直してきました。

 

── ストレス発散法などはありますか?

 

黒谷さん:まずは、十分に睡眠を取る。睡眠時間はバラバラで4時間しか眠れない時もありますが、4時間でも熟睡できれば気分スッキリ!ストレッチをするのもいいですよ。私はほぼ毎日40分ほどかけてストレッチや筋トレをしますが、体もスッキリするし、姿勢もよくなります。

 

あとは友達と話す。言葉にして人に伝えることで、アドバイスをもらえたり、自分とは違った意見を聞けたりすることもあります。

 

PROFILE 黒谷友香

1975年生まれ。大阪府出身。19才で映画「BOXER JOE」で俳優活動を開始。WOWOW×THK「ギフテッドSeason2」ほか、刑事ドラマに多数出演。CM・ドラマ・映画・雑誌等幅広いジャンルで活動。2022年6月21日より国土交通省ペニンシュラ(半島)応援大使を務めている。趣味は乗馬、ガーデニング、DIY。

 

取材・文/間野由利子