人工授精は4回までと決めて
── その後、しばらく不妊治療中が続いたそうですが、特にどんなことが大変だと思いましたか?
嫁ぽんさん:やっぱりスケジュールの調整ですね。体の状態を診て急に受診日が決まることも多く、その都度仕事を休まないといけなかったんです。たとえば生理が終わった後にクリニックに行くと、また3日後に診せてとか、そろそろ排卵しそうだから明日来てとか急に言われることも珍しくなく、多いときは1週間に3回くらいクリニックに行ったときもありました。
夫婦で同じ日にクリニック受診しないといけない日も多く、ピッタリ同じ時間に行かなくてもいいですが、先にどちらかが受診したら、続けて2時間以内には受診しないといけなくて。たとえば朝7時に主人がクリニックに行くと、私も朝9時までには受診する感じです。どちらからの受診が早ければ、後から行く人の受診も早くなる感じですね。
── スケジュール調整をしながら、人工授精から体外受精に進む中で、人工授精は4回までと決めていたそうですね。
嫁ぽんさん:1回にかかるお金も高いですし、担当医師から人工授精は3、4回くらいが目安と言われていたこともあります。ただ、4回目の人工授精が終わったときにうまくいかず、次はいよいよ体外受精に進む段階になって、少し疲れてしまったんです。体が疲れたというより、精神的にちょっと疲れてしまったので、2か月くらい妊活をストップしました。その後、体外受精に進もうと思っていたら、その前に自然妊娠できて。今思えば、気持ちがリラックスできたのかもしれないですね。
── 夫婦によって、不妊治療を通して仲が悪くなるケースもあるようですが、いかがでしたか?
嫁ぽんさん:子どもが欲しいという目標は一緒だったので、特に喧嘩もなかったですね。夫婦で妊活によさそうな情報を話したり、ダイエットも兼ねて一緒に散歩をしたり、逆にコミュニケーションが増えたような気がします。
その後、ありがたいことに娘に恵まれました。思わぬところから子宮筋腫も発見しましたが、その後も夫婦で一緒に前に進めてよかったなと思っています。
PROFILE 嫁ぽんさん
お笑い芸人・ANZEN漫才あらぽんの妻。嫁ぽんの愛称でアメブロでクスッと笑える話など、あらぽんちの日常を発信している。
取材・文/松永怜