今年5月からコロナウイルス感染症が5類感染症へと移行し、社会全体での変化が大きかったこの1年。私たちの働き方やライフスタイルもまた大きく変わりました。そのなかで、働くママたちのお金の使い方も少しずつ変わりつつあるようです。

「健康増進のために」昨年より消費が増えた

読者に対するWebアンケートで、まずは「昨年以前と今年の消費行動に変化はありましたか?」と聞きました。すると、67%の人が「変わった」と回答。7割近くのママに変化があったとのことですが、具体的にはどんな変化があったのでしょうか?

 

次に、去年と今年の消費のジャンルの違いからその変化について探ってみました。

 

「昨年まではどのようなジャンルにお金を使っていましたか?」の問いに2つまで回答をお願いしてみると、「家族の時間を充実させるもの」(38%)、「美容に特化したもの」(33%)、「自分の時間を楽しむためのもの」(30%)が上位に。

 

同じ質問を今年はどうだったか聞いたところ、「家族の時間を充実させるもの」(43%)、「自分の時間を楽しむためのもの」(33%)、「健康増進のためのもの」(32%)という結果になりました。

 

昨年までと今年を比較してみると、「家族の時間を充実させるもの」と「自分の時間を楽しむためのもの」のポイントがわずかですが上がっています。長期休暇に家族みんなで旅行・レジャーなどを楽しむ機会が増えたことや、家族の在宅時間が減ったために、自分ひとりの時間が増えたことが関係しているかもしれません。

 

また、このなかで注目したいのが「健康増進のためのもの」という回答です。昨年では27%で4位だったものの、今年は32%と5ポイント上昇して3位にランクイン。コロナ禍で健康や自分の身体について考える機会が増え、関連したものへの消費が高まっていることがうかがえます。

「コスパ」と「品質」暮らしにあった商品選び

コロナ禍以降、物価上昇など家計に厳しい状況が続いています。今、日々の買い物でママたちが一番重要視していることはなんなのでしょうか?

 

調査してみると1位は「コスパ」(28%)。そのあとに2位「価格」(26%)、3位「品質」(25%)。1位から3位の差があまりない結果となりました。

 

「とにかく安いものがいい」「とにかく品質の高いものがいい」という一元的な価値観ではなく、それぞれが家計の状況や自分の価値観・ライフスタイルにあった商品を賢く選択しているといえそうです。

欲しい商品第1位は「床拭きまでできる掃除機」

最後に、ママたちが暮らしの中でどのような商品を求めているのかを探るため、「家事・育児に関して『こういうものがあればお金を使う!』と思う商品やサービスがあれば教えてください」という問いに、3つまで選択し回答をお願いしました。

 

結果は「ゴミの吸引から床の水拭きまでが1台でできる掃除機」(55%)がダントツ1位に。続いて、2位は「汚れはもちろん匂いレベルまで除去できる洗濯乾燥機」(41%)、3位は「材料を入れてスイッチを押すだけで完成する調理家電」(35%)と、家事の手間をラクにする家電が上位に並びました。共働き世代にとって大きな課題である家事の負担を減らし、家族の時間を増やしてくれる家電へのニーズはとても高いようです。

 

なお、そのあとは「吸収率がよく、効果の高さが実感できるサプリメント」(30%)「子どもの苦手分野をフォローする学習テキストサブスクリプサービス」(20%)という回答が続きました。

「健康・美容」が働くママ自身の今年の消費キーワード

次に、同様の形式で「自分自身のためのものでお金を使いたい商品やサービス」について尋ねると、こちらもある傾向が見えました。

 

1位から「コスパのいい機能性コスメ」(47%)、「エステレベルの効果がある美容器具・家電」(43%)、「吸収率がよく、効果の高さが実感できるサプリメント」(35%)「ながらでOK、いつでもどこでも使えるダイエット器具」(30%)と、自宅で手軽に美肌づくり、体づくりができるアイテムが高い人気を得ています。

 

他の選択肢には、自分の学び直しや余暇を楽しむためのサービスといった選択肢もありましたが、それらを抑え美容・健康に関するものがずらっと上位を占める形となりました。ママたちの美容・健康ジャンルへのアイテムへの興味の高さがうかがえます。

まとめ

新型コロナウイルス感染症の拡大・収束によって、ママたちの消費の変化も起こったこの1年。ママたちの中では、家族や自分の時間を大事にできるもののほか、健康増進のための消費も高まっているようです。さらに、手軽に取り組める美容グッズへの興味も高いことがわかりました。

 

働き盛りで時間がないなかでも、健康できれいなママでいたいという思いの表れなのかもしれません。


取材・文/阿部祐子 写真/PIXTA

©️CHANTO調べ 調査期間:2023年9月29日~10月23日 調査対象:CHANTOモニター60人