華麗なファッションや美容、深いサッカー愛などをブログで発信している歌手の小柳ルミ子さん。年齢を経ても臆さずにチャレンジを続けるその姿に迫ります。(全4回中の2回)

どうせやるなら大御所部門で一位を

── 華麗なファッションや美容、サッカーなど、70代とは思えないパワフルな日常をつづったブログが話題です。そもそもブログを始めたのは、ご自身の意向だったのですか?

 

小柳さん:いえ、実は、もともとまったく乗り気ではなかったんです。でも、お友達から、「今は、タレントみずからがいろんなことを発信していく時代よ」とうながされて。ただ、そんなことを言われても、何を書いたらいいかわからないから、渋っていたのですが、お友達がすべてお膳立てしてくれちゃったので。いよいよやらざるを得なくなってしまって(笑)。

 

71歳の夏、ブログに投稿したミニスカショットは「スタイル抜群」と話題に

── そうだったのですね。ブログの更新頻度も高く、1日に10回以上アップされることも。楽しんでいらっしゃる様子が伝わります。

 

小柳さん:どうせなら、大御所ブログ部門の一位をとってフォロワーも増やそう!と決意し、そのためにはどうすればいいか、いろいろと調べることにしました。なにをどうしていいか分からなかったので、まずは、ブログの運営会社の方に会いに行って、指南を受けることに。

 

例えば私は早朝まで起きていることが多いのですが、そんな時間にブログを上げても誰も見ないだろうと思っていたんです。でも、スタッフの方から「夜中でも起きている人は結構いますから、できるだけ更新したほうがいいですよ」と教えていただきました。ですから、できる限り、更新するようにしているんです。

ブログは自力で頑張れる場所

── やると決めたら一直線ですね。

 

小柳さん:負けず嫌いなんです(笑)。でも、ブログのおかげで、若い方にも興味をもっていただくきっかけになったのは、すごくよかったなと思っています。

 

お仕事のオファーもたくさんいただき、ドラマにも出演しました。ブログやSNSは、タレントが唯一自分の言葉で発信できて、自力で頑張れる部分ですから、やってみたいことは、どんどん言っていったほうがいいんだなと思いましたね。

 

今後、力を入れたいのは、お悩み相談です。ブログで、ルミ子のコンサルタントならぬ「ルミコンサルタント」をやっているのですが、皆さんからの相談があまり来なくて…。私のブログに集う人は、あまり悩みがないのかしらと思ったりもします。

 

今は生きるのが大変な時代ですよね。コロナ禍で心身が疲弊し、誰にも悩みを相談できずに孤独になっている人もいると思うんです。そうした人たちのお役に立てればといいなという気持ちがあります。ルミコンサルタントは24時間受け付けているから、どんどん相談してほしいです。

 

── 年齢を重ねると、新しいことにチャレンジする意欲がなくなりがちですが、ルミ子さんは、まったく臆することなく、新しい扉を次々と開いていらっしゃいます。どうすれば、そんなにアグレッシブでいられるのでしょう?

 

小柳さん:70代になりましたが、物事を始める時に「もう歳だから」とは絶対に言いたくないんです。歳のせいにするのは、ナンセンス。なぜなら、その時点で自分に負けているということですからね。睡眠2~3時間で徹夜することもありますが、それでもちゃんと仕事をして、3食食べて、日々体を鍛えて、愛犬のルルの世話もする。自分なりのルーティンを大切にして、毎日前向きに過ごすことが大事かなと思います。

 

52歳で出会った「サッカーへの愛」もブログやSNSで発信

スタイルキープは「ながら」の「自分ちジム」で

── ブログで披露される華麗なファッションを楽しみにしている女性も多いです。ゴージャスにシャネルを着こなしたかと思えば、ユニクロやZARAなど、ファストファッションも楽しんだり。いまだ変わらないスタイルをキープされていて、ミニスカートもばっちり似合う。どうやって、そのスタイルを維持されているのですか?

 

小柳さん:ありがとうございます(笑)。気をつけているのは、全身をバランスよく鍛えることですね。体はすべて繋がっていますから、ひとつの部分だけを集中的に鍛えても、ダメ。ストレッチと柔軟で全身の血流をいい状態にして、毎日少しでもいいから体を鍛え続けることが大事。実は、そんなに難しいことではないんですよ。日常生活のなかで、できることを「ながら」で取り組むのが一番。私はジムには通っていないんです。もっぱら「自分ちがジム」です。

 

── てっきりジムに通われているのかと思っていました。例えば、どんな「ながら」運動をするのですか?

 

小柳さん:サッカーを見ながら足を上げたり、屈伸をしたり。お風呂から上がった後には、ストレッチや柔軟をするのが習慣です。わざわざジムに通って運動の時間を確保するとなると、続かないし、お金もかかりますよね。運動は継続することがなにより大事なので、日常生活のなかで、いかに体を動かすかを意識して過ごしていますね。

 

例えば、運転中は、インナーマッスルを鍛える時間だと思っています。カーブする時にお腹を引き締めたり。

 

ハンドルを握る姿もファッショナブル!

── カーブで?どういうことでしょう?

 

小柳さん:運転中、左折や右折をするときに、お腹に力を入れて、体は極力動かさずにハンドルを切るんです。すると、インナーマッスルが鍛えられるでしょ?そんなちょっとしたことの積み重ねで体って変わってくるものなんですよ。体を鍛えるチャンスは、実は日常生活のなかにいっぱい転がっているんです。

 

私のなかでは、バレリーナの筋肉が理想ですね。使う時には、クッと締まって強いけれど、普段はすごく柔らかいし、マッチョではなく女性らしい。そんなしなやかな体を目指しています。食べることも大事なこと。暴飲暴食をせず、体が求めるものをその都度バランスよく食べて、適度に運動をする。何事も、期間限定では意味がないので、緩やかな努力を続けることが大事です。

 

透き通るほど白い…!美肌を維持しているルミ子さん

── あらためて、お肌のきれいさに驚きます。透明感があってシミが見当たらない…。失礼ながら、あれほど夜更かしをされているのに、なぜなんでしょう?

 

小柳さん:ありがとうございます。ホントにね(笑)。もちろん年齢なりにシワはありますよ。でも、吹き出物やシミはあまりできないんです。ひとつ言えるのは、好きなことを思いきり楽しみ、ポジティブに生きること。そうして、ストレスなく過ごすことが、一番のアンチエイジングに繋がるんじゃないかしら。

 

PROFILE 小柳ルミ子さん

1952年、福岡県出身。1970年に宝塚音楽学校を首席で卒業後、NHK連続テレビ小説『虹』で女優デビュー。翌年、「わたしの城下町」で歌手デビュー。160万枚を超す大ヒットとなり、日本レコード大賞最優秀新人賞を受賞。その他、「瀬戸の花嫁」「お久しぶりね」など数々のヒット曲を持つ。女優としても、数々の賞を受賞。サッカーファン歴は19年。年間2000試合を鑑賞。

 

取材・文/西尾英子 画像提供/小柳ルミ子