2人の母であるニッチェ江上敬子さん。第二子の出産では妊娠12週の直前の大量出血やコロナ罹患を経験。出産後は長男の赤ちゃん返りが始まったといいます。(全5回中の4回)
不妊治療で気の抜けない日々を過ごし
── 2020年9月に長男さん、2022年10月に長女さんを出産されました。1人目は不妊治療をされたそうですが、2人目のお子さんのときはいかがでしたか?
江上さん:2人目も不妊治療を行いました。1人目の妊娠のときに、体外受精卵がいくつか取れて、凍結してあったんです。その受精卵の1つを使って2人目を妊娠することができました。1人目のときに比べると、2人目の妊娠はおおむね順調だったと思います。
ただ妊娠しやすい体質にしたり、ホルモンバランスを整えるために貼り薬と膣錠と呼ばれる薬を使ったりと、やることはあります。貼り薬は肌がかゆくてカサカサするし、膣錠はすごくしみるし蒸れる。
薬を忘れるとホルモンバランスが崩れるし、妊娠の可能性が下がると思うとかなりプレッシャーでした。
── どのくらいの期間投薬を続けたのでしょうか。
江上さん:私の場合は約4か月使いました。体が整ったところで受精卵を子宮に戻しました。
妊娠12週の直前に大量出血に、コロナ感染
── 2人目の妊娠中にコロナに感染したそうですね。
江上さん:出産の約6か月前、2022年4月に感染しました。その時がいちばん大変でした。妊娠12週の壁といわれていて、12週を超えると、流産の割合が減少すると言われているそうです。私は、明日で妊娠12週目を迎えるという直前で、突然、大量出血をしてしまったんです。トイレに行ったらドロッとした塊が体の中から出てくるのを感じました。
とりあえず気持ちを落ち着かせるためにも寝ようと思ったものの、まったく眠れず。翌日、朝一番に病院に行きました。先生に状況を話すとき、「たぶん流産です」と、ショックをやわらげるため、自己防衛も入ってそんな言い方をしていました。
── お腹の赤ちゃんは大丈夫でしたか?
江上さん:無事でした!先生から妊娠継続していることを聞かされると、涙が止まらなかったです。しかし、安心して家に帰ると今度は熱がふわーって上がって39度まで上がりました。これは何かおかしいぞと思って検査したらコロナ陽性。
私がコロナを患っている間は、夫が長男の面倒を見てくれました。夫は私と長男それぞれの食事を用意し、家事もすべてやってくれて、夫には感謝してもしきれないくらいです。その後、無事に2人目の子どもを出産することができました。
「赤ちゃんして」長男の赤ちゃん返り
── 2人目のお子さんが生まれて、上の子の赤ちゃん返りなどはありましたか?
江上さん:長男は3歳になりますが、長女が生まれてしばらくは、ずっと赤ちゃん返りです!これまで自分でスプーンやフォークを使ってご飯を食べていたのに、長女が生まれてからはまったく自分で食べなくなりました。かわりに「赤ちゃんやって」と言って、私と夫に食事を食べさせてもらおうとしてきます。どこまで受け入れ、どこから怒るべきか難しいです。
── 長男さんに対して気にかけていることはありますか?
江上さん:最近、長女が長男のおもちゃを取ってしまうことが増えてきました。そんなときはまずは長男の味方になる。長女に長男のおもちゃを取ったらダメだよと言い、長男に「ごめんね。まだ赤ちゃんだからわからなくて」と伝えています。長男は少し納得しています。
あとは、長男と私の2人で新幹線を見に行ったり、公園に行ったりして2人の時間をつくるようにしています。長女が泣いていても、まずは長男を優先する。そのくらいでしょうか。
── 現在、長女さんも保育園に通っているそうですが、園でのきょうだい関係はいかがですか?
江上さん:長男は、家だと絶対に長女と遊ばないのに、園では仲良く遊ぶ瞬間もあるみたいです。それに食事も全部自分で食べているそうです。少しずつ成長しているなと思います。
PROFILE 江上敬子さん
1984年生まれ。島根県出身。お笑いコンビ・ニッチェとして、相方の近藤くみこさんとともに活動。『女芸人№1決定戦THE W』に出演、2年連続決勝進出。
取材・文/間野由利子