小学4年生の娘の母でもある、森三中の村上知子さん。子どもの自立を促すために、あえて心を鬼にすることもあるそうですが、なかなかスムーズにはいかないようで──。(全5回中の4回)

遅刻してもなんでもいい

── 娘さんは現在小学4年生。自立を促すようにチャレンジしていることがあるそうですね。

 

村上さん:私からあれやれ、これやれって声をかけないようにしました。今までは「宿題やったの?」とか「お風呂入りなさい」って毎回、私が声をかけてたんです。でも、あれ?自分で何にもできない子になってるねって旦那と話をして。このままだとお母さんにやれって言われたからやってるだけ。何かあってもお母さんのせい。それに、自分の意思で動けない子になってしまうんじゃないかって思ったんですね。

 

── たとえば、どんなことから始めましたか?

 

村上さん:朝は自分で起きなさい。目覚ましも自分でかけるところから始めなさいって。娘は朝8時には家を出ないと学校に間に合わないんです。今までは、朝起きてから家を出るまで、全部、私が言ってたんです。ご飯食べなさいとか、早く着替えなさいとか、いちいち行動を促してたんですけど、やめました。もういいよ。遅刻してもなんでもいい。自分が思った通りに動きなさいって。

 

── はじめからスムーズにいきましたか?

 

村上さん:しばらくは何度か遅刻してましたね。「お母さん、なんで時間も教えてくれないんだ!」って怒ってる日もありました。「時計見ればいいだけでしょ。時計読めるよね?」と言いながら、朝から「起こす、起こさない」で話し合っていたら、大遅刻した日もありましたけど(笑)。

 

宿題もそうです。わが家では、宿題をやらないと自由時間はないというルールにしています。あと、夜ご飯は7時が決まり。それまでにお風呂に入っておくというルールもあります。これに合わせて、学校から帰ってきてからすぐに宿題をやってもいいし、おやつを食べてから取りかかってもいい。ただ、何時に何をしてもいいけれど、夜ご飯は7時と決めてるんです。

 

でも、最初はやっぱりできなかったですね。何も言わないとお風呂も入らないし、7時のご飯も間に合わない。夜は娘とだいたい2人なんですけど、こっちはわざと先に食べたりして(笑)。「あれ?7時だよ?ご飯食べないの?」っていうのは、繰り返しありましたね。

 

でも失敗するなら今しかない。とにかく失敗させて、自分で気づける人になって欲しいとチャレンジ中です。

時計をチラ見しても…

メガネ姿のオフショットの村上さん

── 娘さんもチャレンジ中ですが、お母さんも苦しくないですか?

 

村上さん:めちゃめちゃ苦しいです…(笑)。すっごくツラいですし、イライラするし、何か言いたくもなります。それでも自分の気持ちもグッと抑えて我慢している最中です。

 

私も何度か時計を見るそぶりとか、言葉はかけなくてもなんとなく気づいてほしいとは思ってるんです。でも、私が時計を見ていることに気がつかない。テレビを観たり、推しの動画を観ながら動きが止まってる。それでも私が口を出したらダメだ。怒っちゃダメだと思って、すっごく耐えてます(笑)。

 

ただ、ようやく最近ですかね。「あ、この時間だから家出なきゃだよね」って言い出したり、「サッと食べちゃおう!」って大きな独り言を言ってたり(笑)。そんな感じで徐々にですけど、変化してきたような。

とにかく謝りなさいって

── ところで、娘さんの学校行事には参加されますか?

 

村上さん:けっこう参加していますね。芸能人のお子さんもわりと多い学校なので、親が芸能人だからといって特別な感じもなく、すごく参加しやすいですね。

 

── あえて芸能人のお子さんが多い学校を選ばれたのでしょうか?

 

村上さん:それもありますね。娘が大きくなって、私の仕事を理解してくれるのかといった漠然とした不安を抱えていたときに、たまたま小川菜摘さんに小学校の話を聞かせてもらったんです。自分でも学校に見学に行くと、校風とか、学校の方針みたいなものも共感できましたし、芸能人の方もけっこういらっしゃることを聞いて決めました。

 

── 幼稚園のころから同じ系列の学校に通っているそうですが、周りの環境も良さそうですね。

 

村上さん:すべてが勉強になりますね。幼稚園のころは、たとえば子どもがおもちゃで遊んでいて、友達が「貸して」って言ってきても貸したくないときがありますよね。親の立場だと「なんで貸してあげないの?」って言ってしまいそうですが、通っていた幼稚園では、ちゃんと子どもと話をする。子どもの気持ちを尊重して、「そうか。もうちょっと遊んでから貸してあげようか」って寄り添うんです。周りのママ友も、子どもたちが喧嘩をしても「なんで喧嘩したの?とにかく謝りなさい」ではなくてちゃんと意見を聞く。それはすごく大事だなと思いました。

 

娘は小学4年生になりましたが、今でも同じですね。子どもだからこうだろうって決めつけずに、子どもが意見を言いやすい環境にしたいと思っています。

 

PROFILE 村上知子さん

1980年生まれ。お笑い芸人。1998年に黒沢かずこ、大島美幸とともにお笑いトリオ森三中を結成。2008年に結婚して、1児の母に。

 

取材・文/松永怜