2009年に石田純一さんと結婚した東尾理子さん。21歳の年齢差は気にならなかったと言いつつも、結婚すると予想外のことだらけだったと言います。(全5回中の1回)
浮気や介護の心配をされて
── 2009年に石田さんと結婚されました。年齢差が21歳ありますが、当時、まわりの反応はいかがでしたか?
東尾さん:私の友達は、介護と育児が一緒になる可能性や、夫の浮気についても心配してくれました。友達だからこそ言いにくいこと、聞きにくいことをはっきりと言ってくれてありがたかったですね。ただ人生、何があるかなんて誰にもわからないですよね。先のことを心配するよりも、今の幸せな時間を大切にしたいなと思って結婚を決めました。
── 石田さんのどんなところに惹かれましたか?
東尾さん:夫はあれをするな、これをするなとまったく言わない人なので、一緒にいて楽です。あと、一度ジョギングをすると決めたら、雨が降っても雪が降ってても休まず続けるところや、「ゴルファーはメンタルケアが大切だから」と、一生懸命メンタルについても教えてくれるところも素敵だなと思いました。
── お子さんについては、どう考えていたのでしょうか?
東尾さん:ひとりは欲しいなと思ってました。結婚当初、私は34歳で夫は55歳。すでに孫もいたので、夫とつき合う前に将来子どもを持つ意思があるかどうか、さりげなく聞いてみたんです。すると「最初に子どもを作ったころと比べて、今の自分のほうが健康的な生活をしているし、いろんな経験を積んできた。きっと今の遺伝子のほうがいいはずだ!」と、自信満々(笑)。夫はまだ子どもをつくる気があるんだろうなと思いました。
なぜか嘘をつく夫…
── いざ、結婚生活が始まって、予想外だったことはありましたか?
東尾さん:たくさんあります!とくに時間に関して。夫が時間にルーズなことは結婚前から知っていましたが、予想を超えていました(笑)。
たとえば、夫と私の父が一緒にゴルフに行く場合。夫は平気で約束の時間よりも遅れてくるんです。一方、父は常に10分前行動で、時間に余裕をもって行動するタイプ。遅刻癖のある夫には、待ち合わせの時間より早く伝えていました。
他にも、結婚した当初は、夫がよく小さな嘘をつくので怒っていました。髪を切りに行くのに、スタッフと打ち合わせに行くと言う。趣味のゴルフに行くのに、ゴルフじゃないと言う。髪の毛を切りに行くのもゴルフをしに行くのも、私はダメなんて言わないのに、なぜか夫は嘘をつくんです。夫にとっては隠したい理由があるのかもしれませんが、いちいち気にするのはやめました。夫は嘘をつくのもご愛敬的な感じなので、もうそれくらいでは怒らなくなりました。
夫には、時間も嘘の件も自分の思いを伝えたんです。でも、今まで何十年も変わってこなかった人が、69歳になった今、なかなか変わらないですね(笑)。
── いい意味で、人に期待しすぎない感じでしょうか。
東尾さん:基本的に人と過去は変えられないと思っています。変えられるのは、自分と未来だけ。だから人に変わってほしいと思わないし、変わらないことに対しイライラすることもありません。子どもたちにも、人を動かすのではなく自分から行動するように伝えています。今でも期待しなくはないですが、基本的には昔から期待は薄いほうだと思います。
── そう思えたのは、いつごろからでしょうか?
東尾さん:中学生ぐらいですかね。当時、すでにゴルフの試合に出ていましたが、いい成績を残してもそうじゃなくても、「野球選手の東尾修の娘」として注目を集めやすかったんです。ときには優勝者よりも大きくメディアで取り上げられることがあって、周囲の子たちから妬まれたり、嫌な思いをすることもよくありました。でも、周りの人たち一人ひとりに、自分がお願いして報道してもらっているわけではないと理解を求めても無理な話ですよね。自分がコントロールできないことを気にするのはやめて、目の前のゴルフの練習に集中しようと思うようになりました。
── そうした経験も基盤にあって、石田さんに対しても寛容でいられるのでしょうか?
東尾さん:夫に変わることを期待してもイライラするだけ。それよりも夫のいいところに目を向けようと思ってます。夫は、言わなかったら何もやらないですけど、お願いしたことは全部やってくれます。そういうところも一緒にいてよかったところですね。
PROFILE 東尾理子さん
福岡県出身。2009年12月、俳優・石田純一氏と結婚。現在3人の子どもの母として、育児と仕事に奮闘。日々の暮らしを綴ったブログ「Route-R」が人気。
取材・文/間野由利子