「全員集合!」よりいっそう強く号令をかけるも
恐る恐る電気代の請求を見たところ…例年より1万円近く高くなってはいましたが、それでも恐れていたほどの上昇幅ではありませんでした(もともと光熱費がかなり高い家庭だったので…)。
ツラいけれどもこれくらいなら、とホッとしたのも束の間。
そこにやってきたのが今季最大の寒波です。
よりいっそう「リビングに全員集合!」の号令を強くかけ、引き続きみっしりと詰まった状態の生活をしています。
…とひと言で済ませるのは簡単ですが、これがなかなか難しいのです。
パソコンでゴルフ動画を観るのが趣味の義父に、テレビドラマが大好きな義母、資格試験勉強中の私に、パソコン仕事を家に持ち帰ってくる夫…。
高校生の息子はそろそろ受験も視野に入ってくるし、中学生の娘はゲームや動画を観るのが大好き…。
そんなメンバーがリビングに大集合するのです。
家族全員の休日が被る日などは、ダイニングテーブルはパソコンを開く義父に参考書を開いて勉強する息子と私、やはりパソコンを開いて仕事をする夫にテレビを観る義母で満員御礼。
娘はソファに座ってゲームに勤しみ、猫たちはそれぞれ家族の膝の上でゴロゴロと喉を鳴らしています。
全員が音を鳴らしているとあまりにもうるさく、また仕事や勉強の集中力を切らさないためにも、私たち夫婦と子どもたちはたいていヘッドホンをしています。
最初のうち、私はいつも通勤時に使っているコンパクトなワイヤレスイヤホンを使っていたのですが、そうすると私がイヤホンをしているのがパッと見で分かりにくく、家族が私に普通に話しかける→無視される(聞こえないので)→大きな声でもう一度話しかける、ということを日に何度も繰り返すのがお互いにストレスになっていました。
そこで目に見える形にしたほうがよかろうと、大きめの、ひと目で装着しているとわかるヘッドホンを購入して使うようになりました。
こうした小さな工夫を凝らしながら、ちょっと席を立つとあっという間に誰か(猫含む)に椅子を奪われる、椅子取りゲームのような日々…。
一家団らん、といえば聞こえはいいのですが、さすがに家族みんな、少々疲れてきました。1日も早く世情が安定し、安心して暮らせる日々が戻ってきてほしい…切実に願う大家族の主婦なのでした。
文/甘木サカヱ イラスト/ホリナルミ